四十九日が終わるまで、相続のことは何もしないのではダメなのですか?

四十九日が終わるまで、相続のことは何もしないのではダメなのですか?

結論:ダメではありません。親を見送ったばかりのころは、気持ちの整理を一番に考えてよいと私は思います。ただ、私なら、四十九日(しじゅうくにち:亡くなってから四十九日目の法要)までの間も「何もしない」のではなく、「決めないけれど、確かめておく」ことを少しずつ進めます。相続には期限のある手続きもあり、実家のことは家族がそろう法要の場で話しやすいからです。

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  • 四十九日までに、確かめておきたいことの順番
  • 実家の名義や書類を、どこから探すか
  • 家族がそろう法要の場で、話しておきたいこと

代表の松本が直接お話を伺います。相談は依頼ではありません。「まだ何も手をつけていない」という方も大丈夫です。

こんにちは。一般社団法人 士業会 代表理事の松本 淳一です。「どうしてダメなのですか?」シリーズでは、相続でよくいただく疑問に、私の考えをそのままお話ししています。

今回の疑問は「四十九日が終わるまで、相続のことは何もしないのではダメなのですか?」です。親が亡くなってすぐに、お金や家の話をするのは気が引ける。まずはきちんと見送りたい。そう考えるのは、とても自然なことです。不動産の仕事に40年近く携わってきた私が、この時期をどう過ごすかをお話しします。

四十九日まで待つのは、まちがいではありません

はじめにお伝えしておきます。「落ち着くまで相続の話はしない」という考え方は、ダメなことではありません。

見送る時間は、家族にとって大切な時間です

お通夜やお葬式、役所への届け出、親戚への連絡。親が亡くなった直後は、やることが次々に押し寄せてきます。その中で、相続や実家の話まで一度に考えるのは、心にも体にも大きな負担です。まずは親をきちんと見送ることを一番にしてよいと、私は思います。

あわてて決めると、あとで後悔することもあります

気持ちが落ち着かないうちに「実家はすぐ売ろう」「家財は全部処分しよう」と決めてしまうと、あとで「もう少し考えればよかった」と思うことがあります。大きなことを急いで決めないのは、むしろ大切な姿勢です。

それでも私が「何もしない」をおすすめしない理由

待つことはまちがいではありません。そのうえで、私なら「何もしない」のではなく、「決めないけれど、確かめておく」ことを進めます。理由は三つあります。

相続には、期限のある手続きがあります

相続の手続きの中には、決められた期間の中で考えたり、届け出たりする必要があるものがあります。どの手続きがいつまでに必要かは、ご家族の事情によって変わることもあるので、細かいことは先生に確認するのが安心です。何があるかを知らないまま四十九日を迎えると、そのあとで急に忙しくなってしまいます。相続の期限の全体像は、相続手続きの期限。それぞれ何をする?にまとめています。

書類や情報は、時間がたつほど探しにくくなります

実家の権利証(けんりしょう:家や土地の持ち主を示す書類)、固定資産税の通知、通帳、保険の書類。こうしたものは、親が暮らしていた家の中にそのまま残っていることがほとんどです。片付けが進んだり、時間がたったりすると、どこにあったのか分からなくなることがあります。

家族がそろう機会は、意外と少ないのです

兄弟が遠くに住んでいると、全員が顔を合わせるのは法要のときくらい、ということも多いものです。四十九日は、家族がそろって話せる貴重な機会でもあります。その場を「何も話さない日」にしてしまうのは、もったいないと私は思います。

四十九日までに「確かめておくこと」の目安

私が相談を受けたときに、四十九日までの間に少しずつ進めることをおすすめしている内容を表にまとめました。どれも「決める」のではなく「確かめる」ことです。手続きの細かいことは、必要に応じて先生に確認します。

確かめておきたいこと どうやって確かめるか なぜ大切か
実家の名義 権利証や固定資産税の通知を探す だれの名義かで、この先の進め方が変わるため
親の財産と借金のおおまかな全体 通帳や郵便物、契約書を集めておく 受け継ぐかどうかを考える材料になるため
相続人がだれか 家族の関係を書き出してみる 話し合いに加わる人を知っておくため
期限のある手続き 先生や相談先に何があるかを聞いておく あとであわてないため
実家への家族の思い 法要の合間に、それぞれの気持ちを聞く 売る・残すを決める前の土台になるため

家財の処分は、少し待つ

形見分けや片付けを始めたくなる気持ちはよく分かります。ただ、家財や書類を処分する前に、何を残しておくべきかを確かめてください。片付けの進め方は、親の死後、実家をすぐ片付けていい?残しておきたい書類と情報でくわしくお話ししています。

一人で全部やろうとしない

確かめることを、兄弟で分けるのも一つの方法です。「書類を探すのは近くに住む私」「親戚への連絡は兄」というように分けると、一人に負担が集まりにくくなります。

法要の場で、家族とどう話すか

四十九日の法要は、家族が自然に集まる場です。ただ、いきなり「実家をどうする?」と切り出すと、気持ちがすれ違うこともあります。

「決める」話ではなく「分かったこと」を伝える

私がおすすめするのは、「こんな書類が見つかった」「名義はお父さんのままだった」というように、確かめたことを伝えるところから始めることです。結論を出す場ではなく、同じ情報をみんなで見る場にすると、話し合いが落ち着いて進みやすくなります。

実家への思いは、一人ずつ聞く

「いずれ住みたい」「思い出があるから残したい」「管理が心配だから手放したい」。実家への思いは、兄弟でも違うのが当たり前です。どの思いもまちがいではありません。まずは聞くだけで十分です。

私なら、こう進めます

では、松本ならどうするか。一つの考え方としてお話しします。

お葬式が終わったら、一度だけ全体を書き出します

私なら、お葬式が落ち着いたころに、一度だけ時間をとって「何があるか」「何が分からないか」を紙に書き出します。実家、預金、保険、借金、相続人。分からないところは分からないままで大丈夫です。書き出すだけで、心の中のもやもやがずいぶん軽くなります。

実家のことは、不動産の目で早めに見ておきます

実家がこの先どうなりそうか、売るならどれくらいになりそうか、残すならどんな手間がかかりそうか。ここは私の長年の経験が役に立つところです。決めるのはずっと先でもかまいません。でも、材料は早めにそろえておく。それが、あとでご家族があわてないための一番の近道だと考えています。

よくある質問

四十九日の前に、相続の話をするのは失礼ではありませんか?

結論を急ぐ話でなければ、失礼ではないと私は考えます。「書類を確かめておいたよ」と伝えるくらいの話し方なら、家族も受け止めやすいものです。

何から手をつければいいか分かりません。

まずは実家の名義が分かる書類と、通帳や郵便物を集めるところから始めましょう。順番に迷うときは、一緒に整理します。

相続の手続きの期限は、いつまでですか?

手続きによって違い、ご家族の事情で変わることもあります。士業会では、必要に応じて先生に確認しながらお伝えします。

四十九日までに、実家を売るか決めないといけませんか?

決める必要はありません。家族の気持ちと、実家の状態や値段の目安を確かめてから、ゆっくり考えてよいことです。

兄弟が遠くに住んでいて、なかなか集まれません。

法要の機会を大切にしつつ、電話やメッセージで分かったことを共有するのも一つの方法です。同じ情報を見ていることが大切です。

まだ何も決まっていない段階でも、相談できますか?

はい、大丈夫です。まず私がお話を伺い、何から確かめるかを一緒に整理します。相談は依頼ではありません。

まとめ

四十九日が終わるまで相続の話を控えるのは、ダメなことではありません。親をきちんと見送る時間は、ご家族にとって大切な時間です。

ただ、相続には期限のある手続きもあり、書類や情報は時間がたつほど探しにくくなります。だから私なら、「決めないけれど、確かめておく」ことを少しずつ進め、家族がそろう法要の場で、分かったことを同じように見られるようにします。

「何から始めればいいか分からない」という段階でも大丈夫です。まずはお話をお聞かせください。

違う専門の仲間が、ワンチームであなたの問題を一緒に考えます。士業会を、あなたの味方に。

一般社団法人 士業会 代表理事 松本 淳一

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