親が亡くなった実家の鍵、兄弟それぞれが持っていてはダメなのですか?

親が亡くなった実家の鍵、兄弟それぞれが持っていてはダメなのですか?

結論:ダメではありません。親が亡くなったあと、実家の鍵を兄弟それぞれが持つのは、よくあることです。ただ、私なら、実家の鍵がいくつあって、だれが持っているかを書き出し、「出入りしたら家族に知らせる」という決まりを最初に作っておきます。鍵の持ち方があいまいなままだと、家の中の物や大切な書類のことで、兄弟の間にすれ違いが生まれやすいからです。

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  • 実家の鍵と出入りの決まりを、家族でどう決めるか
  • 家の中の大切な書類や物を、先に分けておく考え方
  • 実家を売る・残す・貸すを、この先どう考えるか

代表の松本が直接お話を伺います。相談は依頼ではありません。「まだ何も決まっていない」という方も大丈夫です。

こんにちは。一般社団法人 士業会 代表理事の松本 淳一です。「どうしてダメなのですか?」シリーズでは、相続でよくいただく疑問に、私の考えをそのままお話ししています。

今回の疑問は「親が亡くなった実家の鍵、兄弟それぞれが持っていてはダメなのですか?」です。親が亡くなると、実家の鍵は、近くに住む兄弟、遠くに住む兄弟、それぞれの手元に一本ずつ、ということがよくあります。親が元気なころに合鍵を渡されていた、というご家族も多いでしょう。実家の鍵は小さなものですが、相続の場面では思った以上に大切な意味を持ちます。不動産の仕事に40年近く携わってきた私が、この疑問にどう答えるかをお話しします。

兄弟それぞれが鍵を持つのは、まちがいではありません

はじめにお伝えしておきます。兄弟それぞれが実家の鍵を持っていることは、ダメなことではありません。

だれでも家に入れるのは、心強いことです

急な雨漏りや、ご近所から「様子がおかしい」と連絡があったとき、近くにいる人がすぐに家に入れるのは大きな安心です。鍵が一本しかないと、その人の都合がつくまで、だれも中を確かめられません。

実家は、兄弟みんなの「帰る場所」でもあります

お盆やお正月に集まる、仏壇に手を合わせに行く。実家は、兄弟みんなにとって思い出のある場所です。「自分も鍵を持っていたい」と思うのは、とても自然な気持ちです。

実家の鍵が、相続でなぜ大切なのか

それでも私が実家の鍵のことを最初に話し合うのは、相続の場面で、鍵が「家の中にあるものに手が届く」ということを意味するからです。

家の中には、相続に関わる大切なものがあります

実家には、権利証(けんりしょう:家や土地の持ち主であることを示す書類)や通帳、印鑑、親が書いたメモや手紙などが残っていることがあります。遺言書が見つかることもあります。だれが、いつ、何を見たのか分からないまま時間が過ぎると、あとで「あの書類はどこへ行ったのか」という話になりやすいのです。

悪気がなくても、疑われてしまうことがあります

「形見に少しだけもらっておこう」「片付けを先に進めておこう」。どちらも悪気のない行動です。でも、ほかの兄弟が知らないうちに物が減っていると、「勝手に持ち出したのでは」と受け取られてしまうことがあります。私が見てきた中でも、鍵の持ち方がきっかけで、兄弟の気持ちがすれ違ってしまったご家族は少なくありません。

売る・貸すときにも、鍵の数が関わります

実家を売ったり貸したりするときには、鍵をすべてそろえて引き渡すのが基本です。だれが何本持っているか分からないと、引き渡しの前にあわてることになります。

まず、実家の鍵を書き出してみる

私が相談を受けたときに、ご家族と一緒に書き出すことを表にまとめました。全部が分からなくても大丈夫です。分かるところから書いていきましょう。

書き出すこと たとえば なぜ大切か
鍵の数と種類 玄関、勝手口、物置、門など 見落としている鍵がないかを確かめるため
だれが持っているか 長男が玄関の合鍵、次女が勝手口など 家に入れる人を家族みんなが知っておくため
親が預けていた先 ご近所の方、親戚、管理を頼んでいた人など 家族の知らない合鍵を確かめるため
出入りしたときの知らせ方 家族のグループに一言送る、など だれが何をしたか分かるようにするため
持ち出さない物の決まり 書類や貴重品は話し合うまで動かさない、など あとで疑いが生まれないようにするため

親が預けていた合鍵も、思い出してみる

親が一人暮らしだった場合、ご近所の方や、親しい知人に合鍵を預けていたこともあります。お礼を伝えながら返してもらうか、そのまま見守りをお願いするかを、家族で決めておきましょう。ご近所に見守りをお願いするときの考え方は、空き家になった実家、ご近所に見てもらうだけではダメなのですか?でもお話ししています。

鍵を集めるより、「知らせる」決まりが大切です

鍵を一人に集めてしまうと、ほかの兄弟が「締め出された」と感じることがあります。私なら、鍵はそれぞれが持ったままでもよいので、「入ったら一言知らせる」「物は動かさない」という決まりを、みんなで作ることを大切にします。

家の中の大切なものは、先に分けておく

鍵の決まりと一緒に考えたいのが、家の中にある大切なもののことです。

書類や貴重品は、みんなで確かめてから動かす

権利証、通帳、印鑑、親の書いたメモなどは、兄弟がそろったときに一緒に確かめ、だれが預かるかを決めておくと安心です。どんな書類を先に探せばよいかは、親の死後、実家をすぐ片付けていい?残しておきたい書類と情報にまとめています。

遺言書らしきものを見つけたら、開けずに先生に確認する

封のされた遺言書らしきものが見つかったときは、その場で開けずに、扱い方を先生に確認しましょう。開け方に決まりがある場合もあるからです。細かいことは、司法書士や弁護士の先生に確かめながら進めます。

私なら、こう進めます

では、松本ならどうするか。一つの考え方としてお話しします。

最初に家族がそろう場で、鍵の話をします

四十九日の法要など、家族が集まる機会があれば、そこで鍵の話を短くしておきます。「だれが何本持っているか」「入ったら知らせる」「物は動かさない」。この三つが決まるだけで、ずいぶん安心できます。

鍵の話から、実家のこの先の話へつなげます

鍵の持ち方を決めると、自然と「この家をこれからどうするか」という話になります。だれが管理するのか、いつまで残すのか、売るのか貸すのか。私は、実家の状態やおおよその値段を見たうえで、それぞれの道を比べてお見せします。

鍵を替えるかどうかも、家族で決めます

合鍵の行方が分からないときや、空き家の期間が長くなりそうなときは、鍵を新しくすることも一つの考え方です。ただ、鍵を替えるときも、一人で決めずに家族みんなに伝えてから進めます。

士業会では、こんなふうにお手伝いします

士業会は、違う専門の仲間がワンチームになって、一人の相談者の問題を一緒に考える団体です。

まず代表の私、松本がお話を伺います

士業会では、まず代表の私、松本がお話を伺い、必要に応じて先生方に確認します。実家の状態やこの先の考え方は私の長年の経験から、名義や遺言書のことは司法書士の先生、税金のことは税理士の先生に確かめながら、一緒に整理していきます。

売ることを前提にはしません

私たちは、売ることも、残すことも前提にしません。ご家族にとっていちばん良い道を、一緒に考えます。相談は依頼ではありませんので、「鍵のことくらいで相談していいのかな」と思う段階でも、気軽にお話しください。

よくある質問

実家の鍵は、だれか一人が預かったほうがいいですか?

どちらでも大丈夫です。一人に集めると、ほかの兄弟が締め出されたと感じることもあります。大切なのは、だれが持っているかを家族みんなが知っていて、出入りしたら知らせる決まりがあることです。

形見を少しもらっておくのはいけませんか?

気持ちはよく分かります。ただ、ほかの兄弟が知らないうちに物が減ると、すれ違いの種になります。先に家族に一言伝えてからにしましょう。

親が近所の人に合鍵を預けていたようです。

まずはお礼を伝えましょう。返してもらうか、見守りを続けてお願いするかは、家族で話し合って決めると安心です。

鍵を替えたほうがいいのはどんなときですか?

合鍵の行方が分からないときや、空き家の期間が長くなりそうなときは、考えてみてもよいでしょう。替えるときも、家族みんなに伝えてから進めます。

家の中で遺言書らしきものを見つけました。

その場で開けずに、扱い方を先生に確認しましょう。士業会にご相談いただければ、必要に応じて先生に確認しながら一緒に整理します。

遠方に住んでいても相談できますか?

はい、大丈夫です。お電話やフォームからのご相談も受け付けています。まずは状況をお聞かせください。

まとめ

親が亡くなった実家の鍵を、兄弟それぞれが持っているのは、ダメなことではありません。だれでも家に入れるのは心強く、実家は兄弟みんなの帰る場所でもあるからです。

ただ、実家の鍵は「家の中にある大切なものに手が届く」ということでもあります。だから私なら、鍵の数と持ち主を書き出し、「入ったら知らせる」「物は動かさない」という決まりを、家族で最初に作ります。そのうえで、実家のこの先の話へ、少しずつつなげていきます。

「何から話せばいいか分からない」という段階でも大丈夫です。まずはお話をお聞かせください。

違う専門の仲間が、ワンチームであなたの問題を一緒に考えます。士業会を、あなたの味方に。

一般社団法人 士業会 代表理事 松本 淳一

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