相続した賃貸物件の名義変更、入居者に知らせず後回しにしてはダメなのですか?

相続した賃貸物件の名義変更、入居者に知らせず後回しにしてはダメなのですか?

結論:相続した賃貸物件の名義変更を、入居者に知らせないまま後回しにするのは、すぐにダメというわけではありません。親が亡くなった直後は、ほかの手続きで手いっぱいです。ただ、入居者にとっては「だれが大家なのか分からない」状態が続き、家賃や修理の連絡が止まってしまうことがあります。私なら、だれが新しい大家になるかを家族で決め、入居者には大家が代わったことと連絡先を伝え、名義を整える段取りを先生に確認しておきます。

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  • 家族のだれが、新しい大家になるか
  • 入居者に、いつ・何を伝えればいいか
  • 持ち続ける・売るを、どう比べるか

代表の松本が直接お話を伺います。相談は依頼ではありません。「まだ何も決まっていない」という方も大丈夫です。

こんにちは。一般社団法人 士業会 代表理事の松本 淳一です。「どうしてダメなのですか?」シリーズでは、相続でよくいただく疑問に、私の考えをそのままお話ししています。

今回の疑問は「相続した賃貸物件の名義変更、入居者に知らせず後回しにしてはダメなのですか?」です。親がアパートや貸家を持っていた。親が亡くなり、その賃貸物件を家族が引き継ぐことになった。でも、名義変更のことも、入居者さんへの連絡のことも、何から手をつければいいか分からない。今は家賃も入っているし、しばらくこのままでいいだろう。そう考える方は多いです。不動産の仕事に40年近く携わってきた私が、この疑問にどう答えるかをお話しします。

賃貸物件の名義変更を後回しにしたくなるのは、自然なことです

はじめにお伝えしておきます。賃貸物件の名義変更をすぐにできないのは、まちがいではありません。

親が亡くなった直後は、手続きがたくさんあります

葬儀、役所への届け出、銀行の手続き。親が亡くなった直後は、やることが山ほどあります。賃貸物件の名義変更まで手が回らないのは当たり前です。

家族で、だれが継ぐかが決まっていないこともあります

賃貸物件をだれが引き継ぐかは、家族の話し合いで決めることです。話し合いがまだなら、名義変更もその後になります。急いで決めて、あとで家族がもめるよりは、落ち着いて決めるほうがよい場合もあります。

それでも、入居者に知らせないままにしない理由

私が「名義変更の前でも、入居者への連絡は先に」とお話しするのは、入居者さんの暮らしは、親が亡くなったあとも毎日続いているからです。

入居者は、だれに連絡すればいいか分からなくなります

水もれや鍵のこわれなど、困りごとは待ってくれません。大家が亡くなったことを知らないまま、親の電話番号に連絡しても通じない。そんな状態が続くと、入居者さんの不安が大きくなり、退去につながることもあります。

家賃の振込先や、契約の相手があいまいになります

家賃がどこに振り込まれているのか、契約書の大家はだれのままなのか。ここがあいまいだと、家族の中でもお金の流れが分からなくなります。家賃の受け取り方の考え方は相続したアパートの家賃、親の口座のまま受け取ってはダメなのですか?でお話ししています。

名義が親のままだと、次の一歩が踏み出せません

建物を直す、売る、管理の会社を変える。どれをするにも、名義が親のままだと進めにくくなります。名義変更を後回しにしているあいだに建物が古くなり、選べる道が少なくなることもあります。名義を整える手続きは、司法書士の先生に確かめましょう。

まず、賃貸物件の「今」を書き出す

私が相談を受けたときに、ご家族と一緒に確かめることを表にまとめました。分かるところから書き出していきましょう。

確かめること どこで分かるか 確かめたあとにすること
建物と土地の名義 登記簿、固定資産税の通知 名義を整える段取りを先生に確認する
入居者の人数と契約の中身 契約書、管理の会社 契約の一覧を作る
家賃の振込先と金額 親の通帳、管理の会社 だれが受け取るかを家族で決める
修理やトラブルの連絡先 管理の会社、親のメモ 入居者に新しい連絡先を伝える
家族のだれが引き継ぐか 家族の話し合い 決めたことを書いて残す

管理の会社があるなら、まず連絡します

親が管理の会社に任せていたなら、まずその会社に、親が亡くなったことを伝えます。入居者さんへの連絡や家賃の扱いを、しばらくどうするか相談できます。管理の会社と確かめたいことは入居者がいる物件を相続したとき、管理会社と確認したいことにまとめています。

親が自分で管理していたなら、書類を集めます

親が自分で大家をしていた場合は、契約書や入居者の連絡先、修理を頼んでいた業者のメモなどを、実家から集めます。親の手帳や通帳に、大切な手がかりが残っていることもあります。

入居者への伝え方で、気をつけたいこと

入居者さんへの連絡は、安心してもらうためのものです。伝え方を少し工夫するだけで、受け取る側の気持ちが大きく変わります。

「暮らしは変わりません」と、まず伝えます

大家が代わると聞くと、入居者さんは「出て行かなければならないのでは」「家賃が上がるのでは」と心配になります。まず、今の暮らしがすぐに変わるわけではないことを伝え、新しい連絡先をはっきり書いておきます。契約の扱いのくわしいことは、先生に確かめておきましょう。

家賃の振込先を変えるときは、ていねいに

振込先を変えるときは、いつから、どこへ振り込めばいいかを書面で伝えます。だまされているのではと心配する方もいるので、管理の会社を通したり、だれからの連絡かがはっきり分かる形にしたりすると安心です。

私なら、こう進めます

では、松本ならどうするか。一つの考え方としてお話しします。

まず、仮の窓口を一人決めます

家族の話し合いがまだでも、入居者さんからの連絡を受ける人を一人決めます。決まった人の連絡先を入居者さんに伝え、困りごとが止まらないようにします。

だれが継ぐかを決め、名義を整えます

次に、家族でだれが賃貸物件を引き継ぐかを話し合います。持ち続けるのか、売るのかも、あわせて考えます。決まったら、名義を整える段取りを司法書士の先生に、家賃収入の税金のことを税理士の先生に確かめます。

持ち続けるか売るかを、数字と気持ちで比べます

家賃の入り方、修理の見込み、家族の手間。賃貸物件は、持ち続けることにも売ることにも、それぞれの良さがあります。私の長年の経験から、建物の値打ちや売れる見込みもお伝えし、家族で比べられるようにします。

士業会では、こんなふうにお手伝いします

士業会は、違う専門の仲間がワンチームになって、一人の相談者の問題を一緒に考える団体です。

まず代表の私、松本がお話を伺います

士業会では、まず代表の私、松本がお話を伺い、必要に応じて先生方に確認します。賃貸物件の値打ちや持ち続ける・売るの考え方は私の長年の経験から、名義や税金のことは先生方に確かめながら、一緒に整理していきます。

売ることを前提にしません

私たちは、賃貸物件を売ることを前提にしません。入居者さんの暮らしとご家族の気持ちを大切にしながら、いちばん良い道を一緒に考えます。「何から手をつければいいか分からない」という段階でも、気軽にお話しください。

よくある質問

賃貸物件の名義変更は、いつまでにすればいいですか?

名義を整える手続きには、決まりごとがあると言われます。ご家族の事情によっても変わるので、司法書士の先生に確かめましょう。

入居者に、大家が亡くなったことを知らせる必要はありますか?

新しい連絡先が分からないと、入居者さんが困ってしまいます。私なら、だれに連絡すればいいかを早めに伝えます。

家族の話し合いがまとまる前でも、入居者に連絡していいですか?

はい。だれが継ぐか決まっていなくても、仮の窓口を一人決めて、連絡が止まらないようにしておくと安心です。

大家が代わると、入居者は出て行かなければなりませんか?

大家が代わっても、今の暮らしがすぐに変わるわけではないと言われます。契約の扱いのくわしいことは、先生に確かめましょう。

相続した賃貸物件を、売ることもできますか?

入居者さんがいるまま売るという道もあります。持ち続ける場合と並べて、家族で比べてから決めましょう。

遠くに住んでいても、相談できますか?

はい、大丈夫です。お電話やフォームからのご相談も受け付けています。まずはお話をお聞かせください。

まとめ

相続した賃貸物件の名義変更を、すぐにできないのはダメなことではありません。親が亡くなった直後は、ほかにやることがたくさんあります。

ただ、入居者さんの暮らしは毎日続いています。だから私なら、名義変更を整える前でも、仮の窓口を決めて入居者さんに連絡先を伝え、そのうえで家族でだれが引き継ぐかを決め、名義を整える段取りを先生に確かめます。

「親のアパートのことが何も分からない」という段階でも大丈夫です。まずはお話をお聞かせください。

違う専門の仲間が、ワンチームであなたの問題を一緒に考えます。士業会を、あなたの味方に。

一般社団法人 士業会 代表理事 松本 淳一

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