相続したアパート、入居者がいるうちに売ってはダメなのですか?

相続したアパート、入居者がいるうちに売ってはダメなのですか?

結論:ダメではありません。入居者が住んでいるまま、アパートを売る方法もあります。家賃が入っている建物として、買いたい人が見つかることもあるからです。ただ、私なら、すぐには決めません。入居者との契約や家賃の状況を整理し、「今のまま売る」「空くのを待つ」「しばらく持ち続ける」を並べて比べてから決めます。

【初回相談0円】相続不動産の無料相談で、一緒に整理できること

  • 入居者がいるアパートを売る前に、確かめておきたいこと
  • 今のまま売る・空くのを待つ・持ち続ける、それぞれの良いところと手間
  • 入居者に迷惑をかけない進め方の順番

代表の松本が直接お話を伺います。相談は依頼ではありません。管理会社に任せきりで、中身がよく分からない方も大丈夫です。

こんにちは。一般社団法人 士業会 代表理事の松本 淳一です。「どうしてダメなのですか?」シリーズでは、相続でよくいただく疑問に、私の考えをそのままお話ししています。

今回の疑問は「相続したアパート、入居者がいるうちに売ってはダメなのですか?」です。親が持っていたアパートを相続した。自分には大家さんの仕事は難しい。売りたいけれど、入居者が住んでいる。「全員が出ていくまで待たないと売れないのでは」「住んでいる人に悪いのでは」と、迷っている方はたくさんいらっしゃいます。不動産の仕事に40年近く携わってきた私が、この疑問にどう答えるかをお話しします。

入居者がいるまま売るのは、よくある方法です

はじめにお伝えしておきます。入居者が住んでいるアパートを、そのまま売ることは、ダメなことではありません。

家賃が入っている建物として、買いたい人がいます

アパートを買う人の中には、家賃の収入を目当てにしている方がいます。そういう方にとっては、すでに入居者が住んでいて、家賃が入っている建物のほうが、むしろ買いやすいことがあります。空室が多いアパートより、入居者がいるアパートのほうが話が進みやすい、ということもあるのです。

入居者の暮らしを変えずにすみます

入居者がいるまま売る場合、多くは買った人が大家さんの立場を引き継ぎます。入居者の方は、そのまま住み続けられることが多く、引っ越しを急がせる必要もありません。住んでいる方への気づかいという面でも、無理のない方法です。

それでも私が「すぐに売る」と決めない理由

よくある方法である。そのうえで、私ならすぐには決めません。理由は三つあります。

契約の中身が分からないまま売ると、話が止まります

入居者一人ひとりと、どんな約束で部屋を貸しているのか。家賃はいくらか、預かっているお金はあるか、更新の時期はいつか。こうしたことが整理されていないと、買いたい人も判断ができません。親が大家さんをしていた場合、書類がそろっていないことも珍しくありません。引き継いだ直後に確かめたいことは、入居者がいる物件を相続したとき、管理会社と確認したいことでまとめています。

家賃の払い方に心配がある入居者がいることもあります

家賃が遅れがちな方がいる、長く住んでいて家賃が周りより安いままになっている。こうした事情は、売るときの値段や、買いたい人の気持ちに関わってきます。先に分かっていれば、伝え方や進め方を考えられます。

空くのを待ったほうが合う建物もあります

建物の古さや場所によっては、空き部屋が出たときに手を入れたり、全体が空いてから別の使い方を考えたりしたほうが、ご家族にとって良い場合もあります。どちらが良いかは、建物ごとに違います。だからこそ、一つの答えに急がず比べたいのです。

今のまま売る・空くのを待つ・持ち続ける。並べて比べる

私が相談を受けたときに、ご家族と一緒に比べる表です。どれが良いかは、建物の状態やご家族の事情によって変わります。契約や税金の細かいことは、必要に応じて先生に確認します。

選べる道 良いところ 考えておきたいこと
入居者がいるまま売る 家賃の入る建物として話ができ、入居者の暮らしも変わりにくい 契約や家賃の状況を、買いたい人に分かる形で整える手間
空くのを待ってから売る 建物全体の使い方を、買いたい人が自由に考えられる いつ空くかは分からず、その間の管理や負担が続く
しばらく持ち続ける 家賃が入り続け、売る時期を落ち着いて考えられる 修理や入居者対応など、大家さんとしての受け持ちが続く
手を入れてから考える 空いた部屋を直すと、入居者が見つかりやすくなることがある 直す費用をかけるかどうか、兄弟で話し合いが必要

「大家さんを続けられるか」も大切な物差しです

数字だけでなく、ご自身やご家族が、大家さんの受け持ちを続けられるかどうかも大切です。遠くに住んでいる、仕事が忙しい、という事情があれば、それも比べる材料に入れてください。

持ち続けるか売るかの考え方も知っておく

持ち続けるか、売るかで迷っているときの考え方は、相続した収益不動産は持ち続けるべき?売却と比較する数字でもお話ししています。

入居者への気づかいを忘れずに

アパートを売るとき、いちばん不安になるのは、住んでいる入居者の方かもしれません。

売ることが決まるまでは、話を広げすぎない

まだ迷っている段階で、「売るかもしれない」という話が入居者に伝わると、不安にさせてしまうことがあります。家族の考えがまとまり、進め方が決まってから、必要な形でお知らせするのが落ち着いた進め方です。

大家さんが変わるときは、きちんとお知らせする

売ることが決まり、大家さんが変わるときは、家賃の振込先などを入居者にきちんとお知らせする必要があります。お知らせの仕方は、管理会社や先生に確認しながら進めると安心です。

私なら、こう進めます

では、松本ならどうするか。一つの考え方としてお話しします。

まず、アパートの「今の姿」を一枚にまとめます

私なら、最初に入居者ごとの契約の内容、家賃、空き部屋の数、建物の傷み具合を一枚にまとめます。管理会社がある場合は、管理会社から資料をもらいます。名義が親のままになっていないかも、司法書士の先生に確認しながら確かめます。

そのうえで、売り方と時期をご家族に選んでいただきます

今の姿が見えれば、入居者がいるまま売るのが良いのか、空くのを待つのが良いのか、しばらく持つのが良いのかを、私の長年の経験から並べてお見せできます。売ったときの税金のことは、税理士の先生に確認します。そのうえで、ご家族に納得して選んでいただく。それが、入居者にも、ご家族にも無理のない進め方だと考えています。

士業会では、こんなふうにお手伝いします

士業会は、違う専門の仲間がワンチームになって、一人の相談者の問題を一緒に考える団体です。

まず代表の私、松本がお話を伺います

士業会では、まず代表の私、松本がお話を伺い、必要に応じて先生方に確認します。アパートの値段や売り方は私の長年の経験から、名義のことは司法書士の先生、税金のことは税理士の先生に確かめながら、一緒に整理していきます。

売ることを前提にはしません

私たちは、売ることも、持ち続けることも前提にしません。ご家族にとっていちばん良い道を、一緒に考えます。相談は依頼ではありませんので、まずは気軽にお話しください。

よくある質問

入居者に、売ることを先に伝えないといけませんか?

迷っている段階で話を広げると、入居者を不安にさせることがあります。いつ、どう伝えるかは、進め方が決まってから管理会社や先生に確認しながら考えます。

入居者に出ていってもらってから売るほうがいいですか?

建物によって違います。入居者がいるまま売るほうが話が進みやすいこともあります。まずは今のまま売る場合と、空くのを待つ場合を比べてみましょう。

親が管理会社を使わずに自分で貸していました。

そういうアパートも多いです。契約書や家賃の記録が手元にあるか、まず一緒に確かめましょう。そろっていなくても、整理の仕方を考えます。

空き部屋が多くて、家賃がほとんど入っていません。

その場合は、手を入れるか、そのまま売るか、建物の使い方を変えるかなど、選べる道が変わってきます。建物の状態を見ながら一緒に考えます。

兄弟の共有で相続しました。売ることはできますか?

共有の場合は、兄弟みんなが納得していることが大切です。だれがどう考えているかを先に聞き、話し合いの材料をそろえましょう。

遠くに住んでいても相談できますか?

はい、大丈夫です。お電話やフォームからのご相談も受け付けています。まずは状況をお聞かせください。

まとめ

相続したアパートを、入居者がいるうちに売るのは、ダメなことではありません。家賃の入る建物として買いたい人がいて、入居者の暮らしも変わりにくい、よくある方法です。

ただ、契約や家賃の状況が分からないまま進めると話が止まり、建物によっては空くのを待つほうが合うこともあります。だから私なら、アパートの今の姿を一枚にまとめ、今のまま売る・空くのを待つ・持ち続けるを比べてから、ご家族に選んでいただきます。

「親のアパートがどうなっているのか、よく分からない」という段階でも大丈夫です。まずはお話をお聞かせください。

違う専門の仲間が、ワンチームであなたの問題を一緒に考えます。士業会を、あなたの味方に。

一般社団法人 士業会 代表理事 松本 淳一

コメント

この記事へのコメントはありません。

関連記事

TOP