父が亡くなった実家、母が住んでいるうちは何もしなくてはダメなのですか?

父が亡くなった実家、母が住んでいるうちは何もしなくてはダメなのですか?

結論:ダメではありません。お母さんが今の家で安心して暮らし続けられることが、何より大切です。ただ、私なら、お父さんの名義のまま「何もしない」で置いておくことはしません。お母さんの住まいを守るためにも、実家の名義やこの先のことを、お母さんが元気なうちに家族で確かめておきます。

【初回相談0円】相続不動産の無料相談で、一緒に整理できること

  • お母さんが住み続けるために、確かめておきたいこと
  • 実家の名義を、だれにどう引き継ぐかの考え方
  • お母さんの気持ちと、子どもたちの考えのすり合わせ方

代表の松本が直接お話を伺います。相談は依頼ではありません。お母さんご本人と一緒のご相談も大歓迎です。

こんにちは。一般社団法人 士業会 代表理事の松本 淳一です。「どうしてダメなのですか?」シリーズでは、相続でよくいただく疑問に、私の考えをそのままお話ししています。

今回の疑問は「父が亡くなった実家、母が住んでいるうちは何もしなくてはダメなのですか?」です。お父さんが亡くなり、実家にはお母さんが一人で住んでいる。「母が元気なうちは、家のことはそのままでいい」「相続の話を持ち出すと、母を悲しませそう」。そう感じる方はとても多いです。不動産の仕事に40年近く携わってきた私が、この場面でどう考えるかをお話しします。

お母さんの暮らしを一番に考えるのは、正しいことです

はじめにお伝えしておきます。お母さんが住んでいる間は家のことに口を出さない、という考え方はダメではありません。

住み慣れた家は、お母さんの心の支えです

長年暮らした家には、ご夫婦の思い出がたくさん詰まっています。お父さんを亡くしたばかりのお母さんにとって、住み慣れた家で暮らし続けられることは、大きな安心につながります。その気持ちを一番に考えるのは、とても大切なことです。

家族の思いやりから出た考えです

「母を悲しませたくない」「お金の話で母を疲れさせたくない」。何もしないでおこうという考えは、多くの場合、お母さんへの思いやりから生まれています。その思いやりは、まちがいではありません。

それでも私が「何もしない」をすすめない理由

お母さんの暮らしを守る。その目的は同じです。そのうえで、私なら何もしないまま置いておくことはしません。理由は三つあります。

名義がお父さんのままだと、あとで困ることがあります

実家の名義が亡くなったお父さんのままだと、いざ修理や建て替え、住み替えを考えたときに、すぐに動けないことがあります。相続の登記(とうき:家や土地の持ち主を国の記録に書くこと)には決まりもあるので、細かいことは司法書士の先生に確認するのが安心です。名義を親のままにしておくことについては、相続した実家、名義を親のままにしておいてはダメなのですか?でもお話ししています。

次の相続のとき、話がもっと複雑になります

お父さんの相続をそのままにしているうちに、いつかお母さんの相続も重なると、二つの相続をまとめて片付けることになります。そのころには兄弟それぞれに家族ができていて、話し合う人も増えています。一度目の相続のうちに整理しておくほうが、ずっと話がまとまりやすいのです。

お母さんの考えを聞けるのは、今だけかもしれません

「この家をこの先どうしてほしいか」。それを一番よく知っているのはお母さん自身です。お母さんが元気で、自分の言葉で思いを話せる今だからこそ、聞いておけることがあります。

お母さんが住み続けるために、確かめておきたいこと

私が相談を受けたときに、お母さんが住み続けることを前提に、ご家族と一緒に確かめることを表にまとめました。手続きや税金の細かいことは、必要に応じて先生に確認します。

確かめたいこと どうやって確かめるか なぜ大切か
実家の今の名義 権利証や固定資産税の通知を見る だれの名義かで、この先の進め方が変わるため
お母さんの希望 住み続けたいか、いずれ住み替えたいかを聞く 名義や引き継ぎ方を考える土台になるため
子どもたちの考え 将来住む人がいるか、だれが管理できるかを話す あとで気持ちがすれ違わないため
家の状態 傷んでいるところや、修理が必要なところを見る 住み続けるための費用を考えておくため
名義の引き継ぎ方 先生に、ご家族に合った方法を確認する お母さんの住まいを守る方法がいくつかあるため

名義をだれにするかは、一つの答えではありません

お母さんの名義にする、子どもの名義にする、いくつかの方法を組み合わせる。どの方法が合うかは、ご家族の事情や税金のことによって変わります。どれがよいかを決める前に、先生に確認しながら一緒に比べていきます。

家の状態も、早めに見ておく

お母さんが一人で暮らすなら、段差や水回り、屋根の傷みなども気になるところです。住み続けるための修理と、将来売るときの価値の両方を見ておくと、話し合いがしやすくなります。

お母さんと、どう話を切り出すか

相続の話を、お母さんにどう切り出すか。ここで悩む方がとても多いです。

「家を守るための話」として伝える

「お母さんがこの家で安心して暮らせるように、一度確かめておきたい」。そう伝えると、お母さんも身構えずに聞いてくれることが多いです。お金を分ける話ではなく、お母さんの住まいを守る話だと分かってもらうことが大切です。

兄弟みんなで、同じ話を聞く

一人の子どもだけがお母さんと話を進めると、ほかの兄弟が「知らないところで決められた」と感じることがあります。できれば兄弟みんなで、同じ場で話を聞くのがおすすめです。将来の住まいについて親子で話しておくことは、将来、実家に誰が住む?親と子で先に話しておきたいことでもまとめています。

私なら、こう進めます

では、松本ならどうするか。一つの考え方としてお話しします。

まずお母さんの「この先」を聞きます

私なら、最初にお母さんに「この家にずっと住みたいか」「もし住めなくなったら、どうしてほしいか」を聞きます。答えがはっきりしなくてもかまいません。お母さんの気持ちが分かるだけで、ご家族の話し合いはずいぶん進めやすくなります。

そのうえで、名義と家のことを先生と一緒に確かめます

お母さんの気持ちが分かったら、名義の引き継ぎ方や税金のことを先生に確認し、家の状態や将来の値段の目安は私が見ます。お母さんが住み続けることを大切にしながら、次の世代が困らない形を一緒に考える。それが私の考える「何もしない」ではない守り方です。

よくある質問

母が住んでいる家の名義を、子どもにしても大丈夫ですか?

方法としては考えられますが、お母さんの住まいや税金への影響はご家族ごとに違います。決める前に先生に確認しながら比べましょう。

母に相続の話をすると、悲しませてしまいそうです。

「お母さんの住まいを守るための話」として伝えると、受け止めてもらいやすいことが多いです。伝え方も一緒に考えます。

名義を父のままにしておくと、何が困りますか?

修理や住み替え、売却を考えたときに、すぐに動けないことがあります。くわしい決まりは、司法書士の先生に確認しながらお伝えします。

兄弟の一人が、実家にいずれ住みたいと言っています。

その思いも大切です。お母さんの希望とあわせて、ほかの兄弟とも同じ場で話し合っておくと、あとで気持ちがすれ違いにくくなります。

母と一緒に相談に行ってもいいですか?

はい、大歓迎です。お母さんご本人のお気持ちを直接伺えると、ご家族に合った形を考えやすくなります。

まだ何も決まっていませんが、相談できますか?

はい、大丈夫です。まず私がお話を伺い、必要に応じて先生に確認しながら一緒に整理します。相談は依頼ではありません。

まとめ

お父さんが亡くなった実家に、お母さんが住んでいる間は何もしない。その考え方は、お母さんへの思いやりから生まれたもので、ダメなことではありません。

ただ、名義がお父さんのままだと、あとで動けなくなることがあり、次の相続のときに話がもっと複雑になることもあります。だから私なら、お母さんが元気なうちに気持ちを聞き、名義と家のことを先生と一緒に確かめて、お母さんの住まいを守る形を整えておきます。

「母にどう切り出せばいいか分からない」という段階でも大丈夫です。まずはお話をお聞かせください。

違う専門の仲間が、ワンチームであなたの問題を一緒に考えます。士業会を、あなたの味方に。

一般社団法人 士業会 代表理事 松本 淳一

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