いらない実家の土地、相続土地国庫帰属制度に頼ればいいと考えてはダメなのですか?

いらない実家の土地、相続土地国庫帰属制度に頼ればいいと考えてはダメなのですか?

結論:いらない実家の土地を、相続土地国庫帰属制度(そうぞくとちこっこきぞくせいど:相続した土地を国に引き取ってもらう制度)に頼ろうと考えるのはダメではありません。ただ、どんな土地でも引き取ってもらえるわけではなく、申し込みには手間と費用がかかると言われます。私なら、この制度だけを当てにせず、売る・貸す・お隣さんに声をかけるなどのほかの道と並べて、家族で比べてから決めます。

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  • その土地に、売る・貸す・譲るなどの道が残っていないか
  • 国の制度を考えるなら、先に確かめておきたいこと
  • 家族のだれが、どこまで受け持つか

代表の松本が直接お話を伺います。相談は依頼ではありません。「まだ何も決まっていない」という方も大丈夫です。

こんにちは。一般社団法人 士業会 代表理事の松本 淳一です。「どうしてダメなのですか?」シリーズでは、相続でよくいただく疑問に、私の考えをそのままお話ししています。

今回の疑問は「いらない実家の土地、相続土地国庫帰属制度に頼ればいいと考えてはダメなのですか?」です。親が亡くなり、遠くの実家の土地を相続した。住む予定もなく、売りに出しても買い手がつきそうにない。そんなとき、「国が引き取ってくれる制度ができたらしい」と聞いて、ほっとする方は多いです。不動産の仕事に40年近く携わってきた私が、この疑問にどう答えるかをお話しします。

相続土地国庫帰属制度に頼るのは、ダメではありません

はじめにお伝えしておきます。相続土地国庫帰属制度を使おうと考えること自体は、まちがいではありません。

「手放す道がある」と知るだけで、気持ちが軽くなります

使い道のない土地を持ち続けるのは、思った以上に気が重いものです。草刈りや見回り、毎年の税金の通知。いつまで続くのかと不安になる方も少なくありません。国に引き取ってもらう道がある、と知るだけで、少し肩の荷が下りるのは自然なことです。

家族に負担を残したくない、という思いも大切です

「自分の代で片付けて、子どもには残したくない」。そう考えて制度を調べる方もいます。その思いはとても大切です。家族のことを考えるからこそ、手放す方法を探しているのだと思います。

それでも、制度だけを当てにしない理由

私が「ほかの道と並べてから」とお話しするのは、相続土地国庫帰属制度は、思ったほど気軽な出口ではないと言われるからです。

どんな土地でも引き取ってもらえるわけではありません

建物が残っている土地や、境界がはっきりしない土地、ほかの人が使っている土地などは、そのままでは引き取ってもらえないことがあると言われます。実家の場合、建物を壊すかどうか、境界をどう確かめるかといった準備が先に必要になることも考えておきたいところです。くわしい条件は、法務局や先生に確かめましょう。

手間と費用、時間がかかります

申し込みには書類をそろえる手間がかかり、審査にも時間がかかります。認められた場合にも、決まった負担金を納めることになると言われます。「申し込めばすぐに手放せる」と思っていると、あとで驚くことがあります。

ほかの道を見ないまま、決めてしまいがちです

いちばん気をつけたいのはここです。「国に引き取ってもらえばいい」と考えると、売る、貸す、お隣さんに譲るといったほかの道を確かめないまま話が進んでしまいます。実は買いたい人がいた、ということも、現場ではめずらしくありません。

まず、土地の様子と手放す道を書き出す

私が相談を受けたときに、ご家族と一緒に確かめることを表にまとめました。分かるところから書き出していきましょう。

手放す道 向いていそうな場面 先に確かめたいこと
不動産会社を通して売る 道路に面していて、まわりに家がある 名義、境界、建物の状態
お隣さんに声をかける お隣さんが土地を広げたがっている お付き合いの様子、境界
貸す・使ってもらう 駐車場や畑として使いたい人がいる 借りる人との約束の形
引き取りの会社に頼む どうしても買い手がつかない 費用と、引き取ったあとの扱い
相続土地国庫帰属制度 ほかの道が見つからない 引き取ってもらえる土地か、準備と費用

名義と境界は、どの道でも必要になります

売るにしても、譲るにしても、国の制度を使うにしても、まず実家の土地がだれの名義になっているかと、どこからどこまでが自分たちの土地かを確かめることになります。ここが整っていないと、どの道も先に進みにくくなります。

お金を払って引き取ってもらう道も、比べておきます

民間の会社に費用を払って引き取ってもらう方法もあります。その考え方は売れない土地、お金を払って引き取ってもらってはダメなのですか?でもお話ししています。

「売れない」は、本当に売れないのか

相続土地国庫帰属制度を考える方の多くは、「この土地は売れない」と思っています。でも、その思い込みが本当かどうかは、一度確かめる値打ちがあります。

売れない理由は、直せることもあります

道路とのつながり、境界、古い建物、荷物の山。売れない理由が分かれば、直せるものもあります。もちろん、直すのにお金をかけすぎては意味がありません。理由と費用を並べて考えることが大切です。その考え方は古い家・売れない土地。私なら、「売れない理由」と「直す費用」を先に確かめますでまとめています。

地元の人の目で見ると、ちがう答えが出ることも

遠くに住む家族から見ると使い道のない土地でも、地元の方には畑や資材置き場として使いたい人がいることがあります。決める前に、地元の様子を知る人の話を聞いておくと安心です。

私なら、こう進めます

では、松本ならどうするか。一つの考え方としてお話しします。

まず、ほかの道を一つずつ確かめます

私なら、相続土地国庫帰属制度を最後の選択肢の一つとして手元に置いたまま、売る、お隣さんに声をかける、貸すといった道を順番に確かめます。土地を見て、地元の様子を聞き、買いたい人や使いたい人がいないかを探ります。

制度を使うなら、準備と費用を先に確かめます

ほかの道がどうしても見つからないときは、国の制度を使うための準備に何が要るかを、法務局や司法書士の先生、土地家屋調査士の先生に確かめます。建物を壊す費用や、境界を確かめる費用もあわせて、家族で見通しを立てます。

家族で、受け持ちを決めておきます

だれが書類を集めるのか、費用はどう分けるのか。兄弟で相続した土地なら、なおさら先に決めておきたいところです。決めたことは紙に書いて、みんなで持っておきます。

士業会では、こんなふうにお手伝いします

士業会は、違う専門の仲間がワンチームになって、一人の相談者の問題を一緒に考える団体です。

まず代表の私、松本がお話を伺います

士業会では、まず代表の私、松本がお話を伺い、必要に応じて先生方に確認します。土地の値打ちや売れる見込みは私の長年の経験から、名義や境界、国の制度のことは先生方に確かめながら、一緒に整理していきます。

一つの答えを押しつけません

私たちは、売ることも、国の制度を使うことも、前提にしません。ご家族にとっていちばん無理のない道を、一緒に考えます。「どこから手をつければいいか分からない」という段階でも、気軽にお話しください。

よくある質問

相続土地国庫帰属制度は、だれでも使えますか?

相続などで土地を受け継いだ方が使える制度と言われますが、引き取ってもらえる土地には条件があります。くわしくは法務局や先生に確かめましょう。

実家の建物が残ったままでも、申し込めますか?

建物が残っている土地は、そのままでは引き取ってもらえないことがあると言われます。建物をどうするかも含めて、先に確かめておきましょう。

費用はかかりますか?

申し込みや、認められたあとの負担金など、費用がかかると言われます。建物を壊す費用や境界を確かめる費用もあわせて、全体で考えましょう。

売れないと言われた土地でも、売れることはありますか?

売れない理由が分かると、直せることもあります。お隣さんや地元の方が使いたいということもあるので、決める前に一度確かめてみましょう。

兄弟で相続した土地でも、使えますか?

兄弟で持っている土地の場合は、みんなの考えをそろえることが先になります。だれが何を受け持つかも、あわせて話しておきましょう。

まだ制度を使うか決めていなくても、相談していいですか?

はい。決める前の段階こそ、ほかの道と並べて比べる時間です。お電話やフォームからのご相談も受け付けています。

まとめ

いらない実家の土地を、相続土地国庫帰属制度に頼ろうと考えるのはダメではありません。手放す道があると知るだけで、気持ちが軽くなることもあります。

ただ、どんな土地でも引き取ってもらえるわけではなく、手間と費用、時間もかかると言われます。だから私なら、この制度を最後の選択肢の一つとして手元に置き、売る・貸す・お隣さんに声をかけるといったほかの道を確かめてから、家族で比べて決めます。

「この土地をどうしたらいいか分からない」という段階でも大丈夫です。まずはお話をお聞かせください。

違う専門の仲間が、ワンチームであなたの問題を一緒に考えます。士業会を、あなたの味方に。

一般社団法人 士業会 代表理事 松本 淳一

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