相続した家、一括査定サイトで決めてはダメなのですか?

相続した家、一括査定サイトで決めてはダメなのですか?

結論:ダメなことはありません。一括査定サイトは、何社かの意見を手軽に集めて、家の値段の目安をつかめる便利な方法です。ただ、私なら、査定を申し込む前に、名義のこと・税金のこと・家族の気持ちを先に整理します。相続した家は、値段だけでは決めきれないことが多いからです。

【初回相談0円】相続不動産の無料相談で、一緒に整理できること

  • 査定を申し込む前に、名義や家族の同意など準備することの確認
  • いくつか出た査定の金額を、どう読み比べればよいかの整理
  • 売る・残す・貸すのどれが合いそうか、全体から考えること

代表の松本が直接お話を伺います。相談は依頼ではありません。準備がそろっていなくても大丈夫です。

こんにちは。一般社団法人 士業会 代表理事の松本 淳一です。「どうしてダメなのですか?」シリーズでは、相続のことで多くの方が感じている素朴な疑問に、私なりにお答えしています。

今回の疑問は「相続した家、一括査定サイトで決めてはダメなのですか?」です。インターネットで家の住所などを入れると、何社もの不動産会社から査定(さてい:いくらくらいで売れそうかの見立て)が届く。とても便利な仕組みです。不動産の仕事に40年近く携わってきた私から見ても、時代にあった良い方法だと思います。そのうえで、相続した家ならではの気をつけたい点を、やさしくお話しします。

一括査定サイトには、たくさんの良さがあります

最初にはっきりお伝えしておきます。一括査定サイトを使うのは、悪いことではありません。使い方しだいで、とても役に立ちます。

家にいながら、何社かの意見を集められます

昔は、家の値段を知りたければ、不動産会社を一軒ずつ回って話を聞くしかありませんでした。一括査定サイトなら、家にいながら、いくつかの会社の意見をまとめて集められます。遠くに住んでいて、実家のある町の不動産会社を知らない方にとっては、特に助かる仕組みです。

値段の「目安」をつかむきっかけになります

相続した家がどれくらいの値段になりそうか、まったく見当がつかない状態では、家族で話し合うこともできません。一括査定で目安がつかめると、「売るか残すか」を考えるための最初の材料になります。

不動産会社にも、それぞれ得意な分野があります

一括査定サイトに参加している不動産会社には、それぞれ得意な地域や、得意な物件の種類があります。いろいろな会社の考え方にふれられるのは、比べる材料が増えるという意味で良いことです。

相続した家は、ふつうの売却とどこが違うのか

ここからが大切なところです。一括査定サイトは便利ですが、相続した家には、ふつうに自分の家を売るときとは違う事情があります。

名義が亡くなった方のままのことがあります

相続した家は、登記(とうき:国の帳簿に、だれの家かを記録すること)の名義が、亡くなった方のままになっていることがよくあります。家を売るには、まず相続した人へ名義を変える手続きが必要です。なお、相続登記は今は義務になっています。査定の金額を見る前に、この手続きをどう進めるかを考えておく必要があります。

相続人が何人もいると、全員の気持ちがそろわないことがあります

家を受け継ぐ人が兄弟など何人もいる場合、売るかどうか、いくらで売るかについて、全員の考えがそろっていないことがあります。一人が先に査定を申し込んで、ほかの兄弟が知らなかった、ということになると、それだけで気持ちがこじれてしまうこともあります。

査定の金額をめぐって家族の意見が分かれたときの考え方は、相続不動産の査定額で家族が揉めたらでもくわしくお話ししています。

税金のことも一緒に考える必要があります

相続した家を売ると、利益が出た場合には税金がかかることがあります。条件にあえば税金を軽くできる特例もありますが、使えるかどうかは、だれが住んでいたか、いつ売るかなどによって変わります。値段だけを見て急いで決めると、あとから「先に確かめておけばよかった」となることもあります。

査定の金額は「見立て」であって、売れる値段の約束ではありません

一括査定でいくつか金額が届くと、つい一番高い金額に目がいきます。その気持ちはよく分かります。ただ、査定の金額の意味を知っておくと、落ち着いて比べられます。

会社によって金額に差が出るのは自然なことです

査定は、それぞれの会社が、近くで売れた家の例や、今の買い手の動きなどから考えた「見立て」です。考え方が会社ごとに少しずつ違うので、金額に差が出るのは自然なことです。差があるからといって、どこかの会社がまちがっているわけではありません。

金額だけでなく「理由」を聞くことが大切です

比べるときに大切なのは、金額そのものより「なぜその金額なのか」という理由です。理由をていねいに説明してくれる会社なら、家族で話し合うときの材料にもなります。何社に頼むのがよいか、どこを比べればよいかは、相続した不動産の売却査定は何社に頼む?にまとめています。

査定のあとに連絡が来ることも知っておく

一括査定を申し込むと、いくつかの会社から電話やメールで連絡が来ることがあります。不動産会社の方にとっては、ていねいにご案内したいという大切な仕事です。ただ、まだ家族の話がまとまっていない段階だと、受け答えに困ってしまう方もいます。申し込む時期を選ぶだけで、ずっと気持ちが楽になります。

一括査定の前と後で、整理しておきたいこと

一括査定を上手に使うために、前と後で何を整理しておくとよいかを表にまとめました。

タイミング 整理しておきたいこと 理由
査定の前 相続人がだれか、全員が査定を取ることを知っているか あとで「聞いていない」と気持ちがこじれるのを防ぐため
査定の前 家の名義がだれになっているか 売るには相続した人への名義変更が必要なため
査定の前 売る・残す・貸すのどれを考えているか 目的によって聞くべきことが変わるため
査定の後 金額の差と、その理由 金額だけでは良し悪しが分からないため
査定の後 売った場合の税金や費用のおおよその見通し 手元に残るお金は、査定の金額とは違うため
査定の後 家族それぞれの気持ち 金額に納得できるかは人によって違うため

表の中で、いちばん大切なのは「家族の同意」

表の中で、私がいちばん大切だと思っているのは、最初の「相続人全員が知っているか」です。どんなに良い査定が出ても、家族の気持ちがそろっていなければ、売ることはできません。逆に、気持ちがそろっていれば、多少時間がかかっても、話は前に進みます。

手元に残るお金は、査定の金額とは違います

家を売るときには、仲介の手数料や、名義変更の費用、場合によっては税金がかかります。家の中の片付けが必要なこともあります。査定の金額がそのまま手元に残るわけではないので、全体の見通しを持っておくことが大切です。費用は状況によって変わります。

私なら、こう進めます

では、松本ならどうするか。一つの考え方としてお話しします。

まず全体の地図をつくる

相続の悩みは、法律・登記・税金・不動産の値段・家族の気持ちが重なっています。私なら、一括査定を申し込む前に、まずこれらを一枚の紙に書き出して、全体の地図をつくります。どこが決まっていて、どこがまだ決まっていないのかが見えると、次にやることがはっきりします。

家族の気持ちをそろえてから、査定を使う

地図ができたら、家族で「まずは値段の目安を知ろう」と合意してから、査定を取ります。一括査定サイトを使うのも、知っている会社に頼むのも、そのときの状況にあわせて選べばよいと思います。大切なのは、手段よりも順番です。

金額を見るときは、だれかと一緒に読み比べる

査定が届いたら、一人で抱えこまず、だれかと一緒に読み比べることをおすすめします。家族でもいいですし、全体を見てくれる相談相手でもかまいません。違う目で見ると、金額の裏にある理由が分かりやすくなります。

士業会では、こんなふうにお手伝いします

士業会は、違う専門の仲間がワンチームになって、一人の相談者の問題を一緒に考える団体です。相続した家のように、いくつもの分野が重なる悩みこそ、ワンチームで考える意味があると考えています。

まず代表の私、松本がお話を伺います

士業会では、まず代表の私、松本がお話を伺い、必要に応じて先生方に確認しながら、何から始めるかを一緒に整理します。「一括査定を使うかどうか迷っている」「もう査定を取ったけれど、どう見ればいいか分からない」。どちらの段階でもかまいません。

一括査定を使うことを止めたりはしません

士業会に相談したからといって、一括査定サイトを使ってはいけない、ということはまったくありません。すでに取った査定があれば、それも大切な材料として一緒に見ます。相談は依頼ではありませんので、話を聞いてみてから考えていただいて大丈夫です。

よくある質問

名義が亡くなった親のままでも、一括査定は申し込めますか?

査定は、値段の見立てを聞くものなので、申し込める場合が多いです。ただ、実際に売るときには相続した人への名義変更が必要です。査定と同じころに、名義のことも考えておくと安心です。

兄弟に内緒で査定を取ってもいいですか?

法律で禁止されているわけではありません。ただ、あとで知った兄弟が気を悪くすることもあります。「目安を知るために査定を取ろうと思う」と一言伝えておくだけで、話し合いがずっと進めやすくなります。

一番高い査定を出した会社に頼むのがいいですか?

金額だけで決めず、その金額になった理由を聞いて比べることをおすすめします。説明に納得できるかどうか、話しやすいかどうかも大切な点です。

査定を取ったら、必ず売らなければいけませんか?

いいえ。査定は値段の目安を知るためのものなので、取ったからといって売る約束にはなりません。目安を知ってから、売る・残す・貸すをゆっくり考えてかまいません。

相続税がかかるかどうかも、査定で分かりますか?

査定は売れそうな値段の見立てで、相続税を計算するときの評価とは考え方が違います。相続税については別に確かめる必要があります。迷ったら全体を一緒に整理しましょう。

すでに査定を取ってしまいましたが、相談できますか?

もちろんです。届いた査定の内容があれば、それも材料にして、これからどう進めるかを一緒に考えます。

まとめ

相続した家を一括査定サイトで考えるのは、ダメなことではありません。家にいながら何社かの意見を集められる、便利で役に立つ方法です。

ただ、相続した家には、名義のこと、税金のこと、そして家族の気持ちが重なっています。だから私なら、査定を申し込む前に全体の地図をつくり、家族の気持ちをそろえてから査定を使います。そして、査定の金額は一人で抱えこまず、全体を一緒に見てくれる味方と読み比べます。

「どこから手をつければいいのか分からない」という段階でも大丈夫です。まずはお気軽にお話をお聞かせください。

違う専門の仲間が、ワンチームであなたの問題を一緒に考えます。士業会を、あなたの味方に。

一般社団法人 士業会 代表理事 松本 淳一

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