結論:相続税の心配があるとき、実家の評価額を自分で見積もってみることはダメではありません。目安を知ろうとするのは大切な一歩です。ただ、実家の値段には「売れる値段」「税金の計算に使う値段」「固定資産税の通知に書かれた値段」など、いくつもの種類があります。私なら、どの値段の話なのかを分けて考え、家族で材料をそろえてから、税理士の先生に確かめます。
【初回相談0円】相続不動産の無料相談で、一緒に整理できること
- 実家の値段について、手元の書類で分かることと分からないこと
- 税理士の先生に確かめる前に、そろえておきたい材料
- 相続税の心配と、実家を売る・残すの考え方のつなげ方
代表の松本が直接お話を伺います。相談は依頼ではありません。「まだ何も決まっていない」という方も大丈夫です。
こんにちは。一般社団法人 士業会 代表理事の松本 淳一です。「どうしてダメなのですか?」シリーズでは、相続でよくいただく疑問に、私の考えをそのままお話ししています。
今回の疑問は「相続税の心配、実家の評価額を自分で見積もるだけではダメなのですか?」です。親が亡くなって、相続税がかかるのかどうか気になる。インターネットで近所の売り出し価格を調べたり、固定資産税の通知を見たりして、実家の評価額を自分で見積もってみた。それで「たぶん大丈夫」「これはかかりそうだ」と考えている。そういう方はとても多いです。不動産の仕事に40年近く携わってきた私が、この疑問にどう答えるかをお話しします。
自分で見積もってみるのは、ダメではありません
はじめにお伝えしておきます。実家の値段を自分で調べてみることは、まちがいではありません。
心配の大きさを知ろうとするのは、自然なことです
相続税がかかるかどうか分からないままでは、落ち着いて先のことを考えられません。まず自分で調べてみようという気持ちは、とても自然です。何も調べないまま不安だけをかかえているより、ずっと前向きです。
家族で話すきっかけにもなります
「実家はこれくらいかもしれない」という目安があると、兄弟で話すきっかけになります。売るのか残すのかを考えるときにも、ぼんやりとした目安があるだけで、話が具体的になります。
実家の評価額には、いくつもの種類があります
私が「自分の見積もりだけで決めないでください」とお話しするのは、実家の値段には何種類もあり、目的によって使う値段が違うからです。
「売れる値段」と「税金の計算の値段」は別のものです
近所の売り出し価格から考えた値段は、「売ったらいくらになりそうか」という値段です。一方、相続税の計算で使う土地や建物の値段には、決まった考え方があります。この二つは同じになるとは限らず、大きく違うこともあります。売れる値段で相続税を考えると、心配しすぎたり、安心しすぎたりすることがあります。
固定資産税の通知の値段も、また別です
毎年届く固定資産税の通知にも、土地や建物の値段が書かれています。これも大切な材料ですが、相続税の計算に使う値段とは、考え方が違います。「通知に書いてある値段だから、これで計算すればいい」とは言い切れません。
同じ実家でも、使い方や家族の事情で変わることがあります
だれが実家を引き継ぐのか、だれが住んでいたのかなどによって、税金の考え方が変わることがあると言われます。くわしい条件はご家族ごとに違うので、税理士の先生に確かめるところです。
まず、手元の書類で分かることを書き出す
私が相談を受けたときに、ご家族と一緒に確かめることを表にまとめました。分かるところから書き出していきましょう。
| 実家の値段の種類 | 何のための値段か | どこで分かるか・だれに聞くか |
|---|---|---|
| 売れる値段の目安 | 売る・残すを考えるため | 不動産の査定、近くで売れた例 |
| 相続税の計算に使う値段 | 相続税がかかるかを考えるため | 税理士の先生に確かめる |
| 固定資産税の通知の値段 | 毎年の固定資産税のため | 市役所などから届く通知書 |
| 名義と土地の広さ・範囲 | どの土地・建物の話かをそろえるため | 登記簿、権利証、測量図 |
| 実家以外の財産と借金 | 相続全体の大きさを知るため | 通帳、保険の書類、借入れの書類 |
「どの値段の話か」を、家族の中でそろえます
兄弟のうち一人は売れる値段の話をしていて、もう一人は税金の話をしている。こういうすれ違いはよく起こります。話すときは「これは売れる値段の目安」「これは税金の話」と、言葉をそろえるだけで、ずいぶん話しやすくなります。
実家だけでなく、財産の全体を見ます
相続税は、実家だけで決まるものではありません。預金や保険、ほかの土地、借金なども合わせて考えます。親の財産を調べる方法は親の財産が分からないとき、預金・不動産・借金をどう調べる?でもまとめています。
見積もりだけで決めると、こんなことが起こりがちです
自分の見積もりだけで判断したために、あとで困ったというお話も伺います。
「かからない」と思い込んで、確かめるのが遅れる
自分の見積もりで「たぶんかからない」と思うと、税理士の先生に確かめるのが後回しになりがちです。あとで「やはり確かめておけばよかった」とならないよう、早めに一度聞いておくと安心です。相続税がかかるかどうかの考え方は実家を相続したら相続税は必ずかかる?でもお話ししています。
「かかる」と思い込んで、あわてて売ってしまう
反対に、高い見積もりを見て「税金が払えない」とあわて、十分に比べないまま実家を売ってしまう方もいます。ご家族の事情によっては使える考え方があることもあるので、売る前に先生に確かめることが大切です。
兄弟で、値段の受け止め方がずれる
一人が見積もった値段を、ほかの兄弟が「本当にそうなの?」と受け止めることもあります。同じ材料を見て話せるよう、見積もりの根拠も一緒に書いておくと安心です。
私なら、こう進めます
では、松本ならどうするか。一つの考え方としてお話しします。
まず、自分の見積もりは「目安」として書いておきます
自分で調べた値段は捨てずに、「どこを見てそう考えたか」と一緒にメモしておきます。目安があると、先生との話もスムーズになります。
税金の値段は、税理士の先生に確かめます
相続税の計算に使う値段や、使える考え方があるかどうかは、税理士の先生に確かめます。ここは私が言い切るところではありません。ご家族の事情を伝えて、ていねいに確認していただきます。
売れる値段は、実家を見て確かめます
売る・残すを考えるための値段は、実家の状態や周りの様子を見て確かめます。税金の値段と売れる値段の両方がそろって、はじめて家族で落ち着いて話せるようになります。
士業会では、こんなふうにお手伝いします
士業会は、違う専門の仲間がワンチームになって、一人の相談者の問題を一緒に考える団体です。
まず代表の私、松本がお話を伺います
士業会では、まず代表の私、松本がお話を伺い、必要に応じて先生方に確認します。実家の売れる値段の考え方は私の長年の経験から、相続税のことは税理士の先生に、名義のことは司法書士の先生に確かめながら、一緒に整理していきます。
売ることも、残すことも前提にしません
私たちは、実家を売ることも、残すことも前提にしません。税金の心配も含めて、ご家族にとっていちばん良い道を一緒に考えます。「何から聞けばいいかも分からない」という段階でも、気軽にお話しください。
よくある質問
実家の評価額は、インターネットで調べた値段で考えてもいいですか?
目安として知っておくのは良いことです。ただ、売れる値段と税金の計算に使う値段は違うことが多いので、相続税のことは税理士の先生に確かめましょう。
固定資産税の通知に書かれた値段で、相続税は分かりますか?
大切な材料にはなりますが、それだけで相続税が分かるとは言い切れません。通知書は捨てずに、先生に見ていただきましょう。
相続税がかかるかどうか、だれに聞けばいいですか?
税金のことは税理士の先生に確かめるのが安心です。士業会では、まず私がお話を伺い、必要に応じて税理士の先生に確認します。
相続税が心配なら、実家は早く売ったほうがいいですか?
あわてて決める必要はありません。税金のこと、売れる値段、家族の気持ちをそろえてから、売る・残すを比べましょう。
兄弟で実家の値段の考えが合いません。
「どの値段の話か」をそろえることから始めましょう。同じ材料を見て話すと、すれ違いが小さくなります。
書類がそろっていなくても相談できますか?
はい。分かっていることだけで大丈夫です。何をそろえればいいかから、一緒に整理しましょう。
まとめ
相続税の心配があるとき、実家の評価額を自分で見積もってみるのはダメではありません。心配の大きさを知ろうとする、大切な一歩です。
ただ、実家の値段には、売れる値段、税金の計算に使う値段、固定資産税の通知の値段など、いくつもの種類があります。だから私なら、自分の見積もりは目安として書いておき、どの値段の話かを家族でそろえ、税金のことは税理士の先生に確かめてから、売る・残すを考えます。
「相続税がかかるのかどうか、何から考えればいいか分からない」という段階でも大丈夫です。まずはお話をお聞かせください。
違う専門の仲間が、ワンチームであなたの問題を一緒に考えます。士業会を、あなたの味方に。
一般社団法人 士業会 代表理事 松本 淳一
コメント