相続の相談、味方は一人だけではダメなのですか?

相続の相談、味方は一人だけではダメなのですか?

結論:ダメなことはありません。一人の専門家にしっかり相談するのは、とても良いことです。ただ、私なら、最初に「全体を一緒に見てくれる味方」をつけます。相続の悩みは、法律・登記・税金・家の値段・家族の気持ちが重なっていて、一つの分野だけでは見えにくいところがあるからです。

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  • いま困っていることが、どの分野の話なのか
  • だれに、何を、どの順番で聞けばよいか
  • 家族で話し合う前に、そろえておきたいこと

代表の松本が直接お話を伺います。相談は依頼ではありません。準備がそろっていなくても大丈夫です。

こんにちは。一般社団法人 士業会の代表理事、松本 淳一です。不動産の仕事に40年近く携わってきて、相続した家や土地のご相談もたくさん伺ってきました。

このシリーズ「どうしてダメなのですか?」では、みなさんから実際に聞かれる素朴な疑問に、私なりの考えでお答えしています。今回の疑問は「相続の相談、味方は一人だけではダメなのですか?」です。

先に言っておきます。ダメなことはありません。ただ、長くこの仕事をしてきた私なら、こう考える、というお話をさせてください。

「味方が一人だけ」とは、どんな状態のこと?

まず、「味方が一人だけ」とはどういうことか、言葉をそろえておきましょう。ここでいう「味方」とは、相続のことで困ったときに相談できる人のことです。

一人の専門家にだけ相談している状態

たとえば、親が亡くなって家を相続することになり、知り合いの先生や、最初に見つけた相談窓口の方にだけ話をしている、という状態です。その方はその分野のプロなので、聞いたことにはきちんと答えてくれます。これはとても心強いことです。

一方で、その方の専門の外にある話は、そもそも話題に出てこないことがあります。これはその方が悪いのではありません。専門家は、自分が責任を持って答えられる範囲で話をするからです。

家族のだれか一人にまかせきりの状態

もう一つは、家族の中でだれか一人が手続きを全部引き受けている状態です。長男さんや、近くに住んでいる娘さんが「とりあえず自分がやる」と動いているケースはよくあります。

動いてくれる人がいるのはありがたいことです。ただ、その方が一人で調べて、一人で決めていくと、ほかの家族が「聞いていなかった」と感じることもあります。相続では、手続きの正しさと同じくらい、家族の納得が大事になります。

どちらも「ダメ」ではありません

どちらの状態も、まちがいではありません。実際、一人の専門家への相談だけで、すっきり終わる相続もたくさんあります。大切なのは、「自分の相続は、一人で見て足りる形なのか、それとも、いくつもの分野が重なっているのか」に早めに気づくことです。

一人の専門家に相談するのも、良いことです

ここで、はっきりお伝えしたいことがあります。一つの分野の専門家に相談することは、とても良いことです。専門家の方々には、それぞれ大きな良さがあります。

一つの分野を深く、正しく見てもらえる

専門家は、自分の分野について長く勉強し、経験を積んでいます。法律の話なら法律の、登記(家や土地の持ち主を国の記録に書くこと)の話なら登記の、税金の話なら税金のプロです。その分野のことを深く、正しく見てもらえるのは、何よりの安心です。

専門家には、守るべき立場と担当の範囲がある

専門家には、それぞれ守るべき立場があります。たとえば、ある家族のだれか一人の代理人になる立場の方もいれば、だれか一人の味方をするのではなく、手続きを正しく進めることが役目の方もいます。また、資格によって「できる仕事」と「できない仕事」が法律で決められています。

ですから、専門家が「それは私の担当ではありません」と言うのは、冷たいのではなく、誠実だからです。自分の範囲をきちんと守っているからこそ、安心して任せられるのです。

だからこそ「つなぎ役」が必要になることがある

専門家がそれぞれの範囲を守っているということは、裏を返すと、範囲と範囲の「すき間」にある悩みは、だれかがつないで考える必要がある、ということです。このすき間こそ、相続で迷いやすいところです。

相続の悩みは、いくつもの分野が重なっている

相続の相談でよく伺うのは、「何から手をつけたらいいか分からない」という声です。その理由は、相続の悩みが一つの分野だけで終わらないことが多いからです。

相続にかかわる5つの分野

相続した家や土地の悩みを分けてみると、だいたい次のような分野が重なっています。

分野 どんな悩みか(例) 相談すると助けてくれる人(例)
法律 だれが相続する人か、遺言はあるか、家族で意見が分かれたとき 弁護士など法律の専門家
登記 家や土地の名義を、亡くなった方から相続した人へ変える手続き 司法書士、法務局の手続き案内
税金 相続税がかかるか、売ったときの税金はどうなるか 税理士、税務署の相談窓口
家の値段 家や土地がいくらくらいなのか、売れるのか、貸せるのか 不動産会社
家族の気持ち 思い出のある実家を手放してよいか、きょうだいでどう分けるか 家族どうしの話し合い(第三者が間に入ることも)

表を見ると分かるように、どの分野にも頼りになる人がいます。ただ、一つの相続の中で、これらが同時に出てくることが多いのです。

一つを決めると、ほかのところに影響が出る

たとえば、「実家はきょうだいのだれか一人が相続して、その人がほかのきょうだいにお金を払う」と決めたとします。これは家族の話し合いと法律の話です。でも、その決め方によって、登記の進め方が変わり、税金のかかり方が変わることがあります。さらに、その家がいくらくらいなのかが分からないと、払うお金の目安も決めにくくなります。

このように、相続は一つを決めると別のところに波のように影響が広がります。一つの分野だけを見て先に決めてしまうと、あとで「別の分野から見ると、こうしておけばよかった」ということが起こりえます。

期限のある手続きもある

相続には期限のある手続きもあります。たとえば、相続登記は2024年4月から義務になり、相続で家や土地を取得したことを知ってから、原則3年以内に申請することが必要になりました。どの手続きを先にするかの順番も、全体を見て決めたほうが落ち着いて進められます。名義変更の始め方は相続した家の名義変更は何から始める?でもくわしくお話ししています。

私なら、最初に「全体を一緒に見る味方」をつけます

では、私ならどうするか。答えはシンプルです。最初に、全体を一緒に見てくれる味方をつけます。そのうえで、必要な分野の専門家に、必要なことを聞いていきます。

まず「何から始めるか」の順番を決める

相続で一番つらいのは、何から手をつけてよいか分からないまま時間が過ぎることです。全体を見る味方がいると、「まずこれを確かめましょう。次にこれを決めましょう」と順番を一緒に考えられます。順番が見えるだけで、気持ちがずいぶん楽になったとおっしゃる方が多いです。

専門家に聞くことを整理してから聞く

専門家に相談するとき、聞きたいことが整理できていると、話がとても早く進みます。「この家を売るか持つか迷っている。売る場合の税金のことを確かめたい」というように、聞くことがはっきりしていれば、専門家もその方の力を十分に発揮できます。全体を見る味方は、この「聞くことの整理」を一緒にする役目です。

家族の気持ちも、話し合いの大事な材料にする

手続きの正しさだけでは、相続は終わりません。「お母さんの思い出の家だから、すぐには売りたくない」という気持ちも、立派な判断の材料です。全体を見る味方は、こうした気持ちも置き去りにせず、手続きやお金の話と一緒に考えます。相続全体をだれに相談するかについては、相続は誰に相談する?の記事もあわせて読んでみてください。

士業会では、相談がどう進むのか

ここで、私たち一般社団法人 士業会での相談の進め方をお話しします。

まず、代表の私、松本がお話を伺います

士業会では、まず代表の私、松本がお話を伺い、必要に応じて先生方に確認しながら、何から始めるかを一緒に整理します。はじめから大勢で話を聞くのではありません。まずは私が、あなたの困っていることをじっくり伺います。

話がまとまっていなくても大丈夫です。「親が亡くなって、家をどうしたらいいか分からない」という一言からで十分です。

違う専門の仲間が、ワンチームで考える

士業会には、違う専門を持つ仲間がいます。その仲間が、一人の相談者の問題をワンチームで一緒に考えます。ある分野で確かめたいことが出てきたら、その分野にくわしい先生に確認します。分野ごとにバラバラに話すのではなく、全体を一つの問題として見る、というのが私たちの考え方です。士業会がどんな集まりなのかは、士業プロフェッショナル最強チーム、士業会とは?で紹介しています。

相談は依頼ではありません

相談したからといって、何かを頼まなければいけないわけではありません。話を聞いて、整理して、「今日はここまで分かった」で終わっても大丈夫です。すでにほかの専門家に相談している方も、そのまま相談を続けていただいてかまいません。ほかの方のお話も大切にしながら、全体の中でどこにあたるのかを一緒に見ていきます。

よくある質問

すでに一人の専門家に相談しています。別の人に相談するのは失礼ですか?

失礼ではありません。相続は大きな出来事なので、いろいろな角度から話を聞くのは自然なことです。今の専門家との相談はそのまま大切にしながら、全体の整理だけ別に相談する、という形もあります。

相談先を複数にすると、話がややこしくなりませんか?

バラバラに相談すると、聞いた話どうしをどうつなげればよいか迷うことがあります。だからこそ、全体を見る味方を一人決めておき、その人と一緒に「どの分野の、何を聞くか」を整理するのがおすすめです。

士業会に相談すると、先生が全員そろって話を聞くのですか?

いいえ。まず代表の私、松本がお話を伺います。そのうえで、必要に応じて先生方に確認しながら、何から始めるかを一緒に整理します。

相談料はかかりますか?

相続不動産の初回相談は0円です。その後に何かを頼むかどうかは、お話を伺ったうえで、あなたが決めてください。手続きの費用は状況によって変わるので、必要なときにその都度ご説明します。

家族の中で意見がまとまっていなくても相談できますか?

できます。むしろ、意見がまとまる前のほうが、何を話し合えばよいかを整理しやすいこともあります。家族のみなさんが落ち着いて話せる材料をそろえるお手伝いをします。

何を準備して相談すればいいですか?

準備がそろっていなくても大丈夫です。もしあれば、家や土地の場所が分かるもの、届いた書類、家族の関係のメモなどがあると話が早くなります。くわしくは相続の無料相談はどこでできる?もご覧ください。

まとめ

味方が一人でも、ダメなことはありません

相続の相談で、味方が一人だけでもダメなことはありません。一つの分野の専門家に深く相談できるのは、とても心強いことです。専門家にはそれぞれ守るべき立場と担当の範囲があり、だからこそ安心して任せられます。

私なら、最初に全体を見る味方をつけます

ただ、相続の悩みは、法律・登記・税金・家の値段・家族の気持ちが重なっています。私なら、最初に全体を一緒に見てくれる味方をつけて、何から始めるかの順番を決めます。そのうえで、必要な分野のことを専門家に確かめていきます。迷ったときは、まずお話を聞かせてください。

違う専門の仲間が、ワンチームであなたの問題を一緒に考えます。士業会を、あなたの味方に。

一般社団法人 士業会 代表理事 松本 淳一

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