結論:相続にかかる費用は、「誰に、何を頼むか」で変わります。私なら、専門家ごとの料金を比べる前に、必要な手続きと費用が発生する順番を一枚にまとめます。全体を見てから頼む範囲を決めることが大切です。
「相続のことを弁護士に頼みたい。でも、いくらかかるのか分からなくて不安」
費用の見通しが立たず、相談をためらう方は少なくありません。実家などの不動産がある相続では、弁護士以外の専門家や、売却に伴う費用が必要になることもあります。
弁護士には、何の費用がかかる?
費用や支払う時期は、事務所や依頼内容によって異なります。見積もりでは、次の項目を確認しましょう。
– 相談料:相談するときの費用
– 着手金:正式に依頼するときに支払う費用
– 報酬金:結果に応じて支払う費用
– 実費:書類の取得費や裁判所に納める費用など
兄弟の間で意見が対立し、交渉や調停が必要なとき、弁護士は大きな力になります。依頼する前に、「どこまで対応してもらえるか」「途中で別の手続きが必要になったら費用はどうなるか」まで聞いておきましょう。
ほかの専門家や不動産の費用
– 司法書士:相続登記などの報酬。登録免許税や書類の取得費は、通常、報酬とは別です
– 税理士:相続税の申告や税務の検討などの報酬
– 土地家屋調査士:境界を確かめるための測量などの費用
– 不動産会社:売却を仲介する場合の手数料。受け取れる額には国が定める上限があります
すべての相続で、これら全員への依頼が必要になるわけではありません。実家の状況と、家族が何に困っているかによって、必要な仕事は変わります。
費用を考えるときは、順番も大切です
不動産の仕事に40年近く携わってきて、費用の相談では、一つひとつの金額と同じくらい手続きの順番を大切にしています。
たとえば、実家を誰の名義にするか決める前に税金や売却の予定を確認する。売り出す前に、境界や登記を調べる。家族の意見が食い違い始めたら、話がこじれる前に法律上の論点を確かめる。
先に全体を整理すれば、必要な仕事と、まだ頼まなくてよい仕事を分けて考えられます。
私なら、費用の見通しを一枚にまとめます
依頼を決める前に、次の4つを並べます。
1. この相続で必要になりそうな手続き
2. それぞれを担当できる専門家
3. 費用の見込みと、支払う時期
4. 追加費用が生じる条件
金額がまだ分からないものは、空欄のままにせず「見積もりが必要」と書きます。誰に何を頼むかが決まってから、見積もりを取りましょう。
士業会では、まず代表の私、松本がお話を伺います。相談しただけで、専門家への正式な依頼が決まるわけではありません。必要に応じて先生方に確認し、今必要なことと、まだ決めなくてよいことを一緒に整理します。正式な依頼に費用がかかる場合は、その前に確認してください。
よくある質問
Q. 弁護士費用を用意できるか不安です。
A. 収入や資産などの条件を満たし、審査で認められれば、法テラスの無料法律相談や弁護士・司法書士費用の立替制度を利用できる場合があります。立替えは原則として返済が必要です。費用の心配も含めて相談してください。
Q. 争いがなくても、弁護士に頼む必要がありますか?
A. 必ずしも必要とは限りません。名義変更や税金の手続きが中心なら、それぞれの専門家への相談で進められることもあります。まず、何を頼みたいのか整理しましょう。
まとめ
相続の費用は、専門家一人の料金だけでは分かりません。必要な手続き、担当する人、費用が発生する時期を一枚にまとめてから、依頼する範囲を決めましょう。
違う専門の仲間が、ワンチームであなたの問題を一緒に考えます。士業会を、あなたの味方に。
一般社団法人 士業会 代表理事 松本 淳一
→ 相談先の選び方は「相続は誰に相談する?」のコラムもあわせてご覧ください。
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