相続した家の名義変更は何から始める?確認したい書類と順番

結論:相続した家や土地の名義変更は、書類集めより先に「親の名義の土地・建物が全部でいくつあるか」を確かめることが大切です。私なら、市町村の名寄帳と法務局の所有不動産記録証明書を手がかりに、実家の前の私道や別に登記された車庫まで確認します。
「親から相続した家の名義を変えたい。でも、何から始めればいいのか分からない」
家や土地の名義変更を、相続登記といいます。相続登記は2024年4月から義務になり、原則として、相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内に申請が必要です。
名義変更の大まかな順番
遺言書がなく、家族の話し合いで分け方を決める場合は、次のように進めます。
1. 親の名義の土地・建物を洗い出す
2. 戸籍で相続人を確認する
3. 誰がどの不動産を受け取るか、相続人全員で決める
4. 必要な書類をそろえる
5. 法務局に相続登記を申請する
私が最初に確かめるのは「家以外にもないか」
不動産の仕事に40年近く携わってきて、名義変更で気をつけたいと思うのは、土地や建物の変え忘れです。
– 実家の前にある私道の持分
– 近所と共有している通路
– 昔、親が買った小さな土地
– 母屋とは別に登記された車庫や物置
固定資産税がかからない土地などは、毎年届く納税通知書だけでは見落とすことがあります。何年も後に売ろうとして初めて見つかると、その間に相続人が増え、手続きが複雑になることもあります。
名寄帳と所有不動産記録証明書を使う
名寄帳は、市町村が管理する、同じ人の名義の土地・建物を調べる手がかりです。ただし、市町村ごとの記録なので、別の市町村にある不動産は、その市町村でも確認します。
所有不動産記録証明書は、2026年2月から法務局で請求できるようになった書類です。亡くなった方が登記上の所有者として記録されている不動産を、一覧で確認する手がかりになります。
ただし、登記に残る昔の住所や名前と検索条件が合わない不動産などは、一覧に出ない可能性もあります。どちらか一つを見れば必ず全部分かると決めつけず、親の書類、納税通知書、名寄帳なども照らし合わせます。
不動産を洗い出したら、一つひとつの登記事項証明書で名義や土地の番号を確かめます。
主に必要になる書類
遺産分割協議で名義を変える場合、一般に次のような書類を準備します。
– 亡くなった親の出生から死亡までの戸籍
– 相続人の戸籍
– 親の住民票の除票など、登記上の住所とのつながりを確認する書類
– 不動産を受け取る人の住民票
– 相続人全員で決めた内容を記した遺産分割協議書
– 協議書に押印した相続人の印鑑証明書
– 登録免許税の計算に使う固定資産評価証明書など
遺言書がある場合や、法定相続分で登記する場合は、必要な書類が変わります。戸籍を何度も提出する手間を減らすため、法定相続情報一覧図を利用する方法もあります。
費用と期限も確認する
相続による名義変更の登録免許税は、原則として不動産の固定資産税評価額の**0.4%**です。土地の価格などによっては免税の対象になる場合もあります。これとは別に、証明書の取得費用や、司法書士に依頼する場合の報酬がかかります。
家族の話し合いが期限までにまとまらないときも、そのまま放置せず、相続人申告登記を含めて司法書士に相談してください。
私なら、名義を決める前にチームで一覧をつくります
登記の申請は司法書士の専門です。ただ、「誰の名義にするか」は、その後に住む人、売る予定、税金、家族の分け方にもかかわります。
もし私があなたの立場なら、司法書士、税理士、弁護士、不動産の専門家が力を合わせてくれるチームを味方につけます。まず不動産の一覧をつくり、変え忘れがないか確かめてから、誰の名義にするかを考えます。
士業会では、まず代表の私、松本がお話を伺い、必要に応じて先生方に確認しながら、ご家族にとってよい進め方を一緒に考えます。
よくある質問
Q. 名義変更は自分でもできますか?
A. 自分で申請することもできます。ただ、不動産や相続人が多い場合、書類を集めて内容を確かめるのに時間がかかります。変え忘れや書類の不足が心配なときは、司法書士に相談してください。
Q. 名寄帳があれば、親の土地は全部分かりますか?
A. 名寄帳は市町村ごとの記録です。別の市町村に土地がある場合は、そこでも確認が必要です。所有不動産記録証明書なども手がかりにして調べましょう。
まとめ
相続した家の名義変更は、書類集めの前に、親の名義の土地・建物を洗い出すところから始めます。実家だけでなく、私道の持分や車庫なども確認してください。
変え忘れのない一覧をつくり、あなたの側に立つチームと一緒に進めましょう。
違う専門の仲間が、ワンチームであなたの問題を一緒に考えます。士業会を、あなたの味方に。
一般社団法人 士業会 代表理事 松本 淳一

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