結論:ダメではありません。相続放棄(そうぞくほうき:親の財産も借金も受け継がないと決める手続き)は、借金からご家族を守る大切な選択肢です。ただ、私なら、「借金がある」と聞いてすぐには決めません。放棄すると実家も受け継げなくなり、相続の順番がほかの親戚に回ることもあるからです。決める前に、財産と借金の全体、実家への家族の思い、親戚への知らせ方を確かめ、手続きのことは先生に確認しながら進めます。
【初回相談0円】相続不動産の無料相談で、一緒に整理できること
- 親の財産と借金の全体を、どう確かめるか
- 実家を残したい気持ちと、借金のことの考え方
- 決める前に、家族や親戚と話しておきたいこと
代表の松本が直接お話を伺います。相談は依頼ではありません。借金の額がまだ分からない方も大丈夫です。
こんにちは。一般社団法人 士業会 代表理事の松本 淳一です。「どうしてダメなのですか?」シリーズでは、相続でよくいただく疑問に、私の考えをそのままお話ししています。
今回の疑問は「親に借金があるなら、すぐに相続放棄してはダメなのですか?」です。親が亡くなったあと、借金の通知や督促の手紙が届いた。「借金を背負うくらいなら、何も受け継がない方がいい」と考えるのは、とても自然なことです。不動産の仕事に40年近く携わってきた私が、この場面でどう考えるかをお話しします。
相続放棄は、ご家族を守る大切な選択肢です
はじめにお伝えしておきます。相続放棄を考えることは、まちがいではありません。
借金から、自分や家族の暮らしを守れます
親の借金が財産より大きい場合、受け継いでしまうと、その借金を自分たちで返していくことになりかねません。相続放棄は、そうした負担から自分や家族の暮らしを守るために用意された方法です。必要なときには、ためらわずに考えてよいものです。
早めに考えはじめることは、とても大切です
相続放棄には、決められた期間の中で手続きをする必要があります。いつまでに、何をすればよいかは、ご家族の事情によって変わることもあるので、司法書士や弁護士などの先生に早めに確認するのが安心です。「考えはじめる」のは、早いほどよいのです。
それでも、私が「すぐには決めない」理由
大切な選択肢である。そのうえで、私なら「借金がある」と聞いてすぐには決めません。理由は三つあります。
財産と借金の「全体」が分かっていないことが多い
督促の手紙が一通届いただけで、親の借金の全体が分かったとは限りません。反対に、実家や土地に思ったより価値があったり、預金や保険が見つかったりすることもあります。全体を確かめないまま決めると、あとで「放棄しなくてもよかったかもしれない」と思うこともあります。親の財産や借金の調べ方は、親の財産が分からないとき、預金・不動産・借金をどう調べる?にまとめています。
放棄すると、実家も受け継げなくなります
相続放棄は、借金だけを受け継がない手続きではありません。実家や土地を含めて、親の財産をまるごと受け継がないことになります。「実家だけは残したい」「母がまだ住んでいる」という場合は、ほかに道がないか、先に確かめる価値があります。
相続の順番が、ほかの親戚に回ることがあります
子どもたちが放棄すると、相続の順番が親の兄弟など、ほかの親戚に回ることがあります。何も知らされないまま借金の知らせが届くと、親戚は驚き、関係がこじれてしまうこともあります。だれに順番が回るのか、どう知らせるのかも、決める前に考えておきたいことです。
決める前に、確かめておきたいこと
私が相談を受けたときに、相続放棄を決める前に一緒に確かめることを表にまとめました。手続きの細かいことは、必要に応じて先生に確認します。
| 確かめたいこと | どうやって確かめるか | なぜ大切か |
|---|---|---|
| 借金の全体 | 届いた手紙や通帳、契約書を集める | 一部だけで判断しないため |
| 財産の全体 | 実家や土地の名義と、おおよその値段を確かめる | 財産の方が大きいこともあるため |
| 実家への思い | 住んでいる家族や兄弟の気持ちを聞く | 放棄すると実家も受け継げなくなるため |
| 次に相続する人 | 親の兄弟などに順番が回るかを確かめる | 親戚に何も知らせないまま迷惑をかけないため |
| 手続きの期間と流れ | 司法書士や弁護士などの先生に確認する | 決められた期間に間に合うようにするため |
実家の家財や財産には、先に手をつけない
放棄を考えているときは、実家の家財を処分したり、預金を使ったり、実家を売ったりする前に、一度先生に確認してください。してよいこと・控えた方がよいことは、ご家族の事情によって違うことがあるからです。
実家の値段は、不動産の目で確かめる
実家や土地がいくらくらいになりそうかは、財産と借金を比べるうえで大切な材料です。ここは私の長年の経験が役に立つところです。借金がある場合の実家の考え方は、親の借金があるとき、実家はどうなる?相続放棄を考える前に整理したい財産と負債でもくわしくお話ししています。
家族や親戚と、どう話すか
相続放棄は、一人だけの問題ではありません。家族や親戚との話し方も大切です。
兄弟みんなで、同じ情報を見て決める
兄弟のうち、だれが放棄し、だれが受け継ぐのか。これは一人ひとりが決めることですが、同じ情報を見てから決めると、あとで気持ちがすれ違いにくくなります。
順番が回りそうな親戚には、早めにひと声かける
放棄によって順番が回りそうな親戚には、先に事情を伝えておくと、相手もあわてずにすみます。伝え方に迷うときは、先生や相談先と一緒に考えるのも一つの方法です。
私なら、こう進めます
では、松本ならどうするか。一つの考え方としてお話しします。
まず期間を確かめ、その中で全体を調べます
私なら、最初に先生に「いつまでに決める必要があるか」を確かめます。そのうえで、その期間の中で財産と借金の全体を調べ、実家の値段を確かめ、家族の気持ちを聞きます。期間を知っていれば、あわてずに、でも遅れずに進められます。
「放棄するか、しないか」だけで考えません
全体が分かると、放棄のほかにも考えられる道が見えてくることがあります。どの道が合うかは、先生に確認しながらご家族で決めることです。大切なのは、借金の知らせに追い立てられて決めるのではなく、全体を見たうえで納得して決めることだと、私は考えています。
士業会では、こんなふうにお手伝いします
士業会は、違う専門の仲間がワンチームになって、一人の相談者の問題を一緒に考える団体です。
まず代表の私、松本がお話を伺います
士業会では、まず代表の私、松本がお話を伺い、必要に応じて先生方に確認します。実家や土地の値段は私の長年の経験から、相続放棄の手続きや期間は司法書士や弁護士などの先生、税金のことは税理士の先生に確かめながら、一緒に整理していきます。
ご自身の住宅ローンの返済が苦しい方へ
親の借金とは別に、ご自身の住宅ローンの返済が苦しくなっている方には、任意売却(にんいばいきゃく:金融機関と話し合いながら家を売る方法)の相談先として、エルライフをご案内することもあります。まずは相続のことと合わせて、お話をお聞かせください。相談は依頼ではありません。
よくある質問
親の借金は、子どもが必ず払わなければいけませんか?
受け継ぐかどうかによって変わります。相続放棄などの方法もあるので、まずは財産と借金の全体を確かめ、先生に確認しながら考えましょう。
相続放棄をすると、実家には住めなくなりますか?
放棄すると実家も受け継がないことになります。住み続けたい家族がいる場合は、決める前にほかの道がないか一緒に確かめることをおすすめします。
借金の額がまだ分かりません。どうすればいいですか?
届いた手紙や通帳、契約書などを集めるところから始めましょう。調べ方に迷うときは、一緒に整理します。
兄弟のうち一人だけ相続放棄することはできますか?
放棄するかどうかは、一人ひとりが決めることです。ただ、ほかの兄弟や親戚への影響もあるので、みんなで同じ情報を見てから決めると安心です。
実家の片付けを始めてしまいました。大丈夫でしょうか?
状況によって考え方が変わることがあります。これ以上進める前に、一度先生に確認しましょう。まずはお話を伺います。
相続放棄のことも士業会で相談できますか?
はい、大丈夫です。まず私がお話を伺い、手続きのことは必要に応じて先生に確認しながら進めます。
まとめ
親に借金があるとき、相続放棄を考えるのはダメなことではありません。借金からご家族の暮らしを守る、大切な選択肢です。
ただ、放棄すると実家も受け継げなくなり、相続の順番がほかの親戚に回ることもあります。だから私なら、決められた期間を先生に確かめたうえで、財産と借金の全体、実家への家族の思い、親戚への知らせ方を確かめてから決めます。
「借金の知らせが届いて、どうしたらいいか分からない」という段階でも大丈夫です。まずはお話をお聞かせください。
違う専門の仲間が、ワンチームであなたの問題を一緒に考えます。士業会を、あなたの味方に。
一般社団法人 士業会 代表理事 松本 淳一
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