親が施設に入る前に、実家を売ってしまってはダメなのですか?

親が施設に入る前に、実家を売ってしまってはダメなのですか?

結論:ダメではありません。施設に入る費用の足しにしたい、空き家にしたくない、という理由で実家を売るのは、よく考えられた選択の一つです。ただ、私なら、急いで売ることはしません。親の気持ちを聞き、施設での暮らしの見通しを確かめ、売る・貸す・しばらく持つを比べてから決めます。そして、決めたことは親が自分で決められるうちに形にしておきます。

【初回相談0円】相続不動産の無料相談で、一緒に整理できること

  • 親が施設に入るとき、実家について考えておきたいこと
  • 売る・貸す・しばらく持つ、それぞれの良いところと手間
  • 親の気持ちを聞きながら、家族で決める順番

代表の松本が直接お話を伺います。相談は依頼ではありません。親御さんと一緒のご相談も大歓迎です。

こんにちは。一般社団法人 士業会 代表理事の松本 淳一です。「どうしてダメなのですか?」シリーズでは、相続でよくいただく疑問に、私の考えをそのままお話ししています。

今回の疑問は「親が施設に入る前に、実家を売ってしまってはダメなのですか?」です。一人暮らしの親が、介護の施設に入ることになった。実家はだれも住まなくなる。「施設の費用もかかるし、空き家になる前に売ってしまおう」。そう考えるご家族はとても多いです。不動産の仕事に40年近く携わってきた私が、この場面でどう考えるかをお話しします。

施設に入る前に売るのは、よく考えられた選択です

はじめにお伝えしておきます。親が施設に入る前に実家を売ることは、ダメなことではありません。

空き家の心配を、早めに手放せます

だれも住まなくなった家は、思っている以上に早く傷みます。換気や草刈り、郵便物の確認など、管理の手間もかかります。売ってしまえば、こうした心配を早めに手放すことができます。

施設での暮らしのお金を、準備できます

施設での暮らしには、まとまったお金がかかることがあります。実家を売ったお金を、親自身のこれからの暮らしに使う。それは、親にとっても家族にとっても、筋の通った考え方です。

それでも私が「急いで売る」をすすめない理由

よく考えられた選択である。そのうえで、私なら急いで売ることはしません。理由は三つあります。

親の気持ちが置き去りになることがあります

長年暮らした家は、親にとって人生そのものです。施設に入ることを受け入れても、「家がなくなる」ことには、まだ気持ちの整理がついていないかもしれません。家族が良かれと思って話を進めても、親の心に「帰る場所がなくなった」という寂しさが残ることがあります。

施設での暮らしが、思ったとおりにいくとは限りません

施設に入ってみたものの、合わずに別の施設へ移ることもあれば、体の具合がよくなって、自宅に戻りたいと考えることもあります。見通しが立たないうちに実家を売ってしまうと、選べる道がせまくなります。

売るのは、親自身が決めて手続きすることです

実家が親の名義なら、売るのは親自身です。家族が代わりに決めることはできません。親の判断する力が弱くなってくると、売る手続きを進めにくくなることもあると言われています。どんな備え方があるかは、司法書士などの先生に確認するのが安心です。親が元気なうちに実家の管理を任せる方法の一つは、家族信託とは?親が元気なうちに実家の管理を任せる方法と向き不向きでまとめています。

売る・貸す・しばらく持つ。並べて比べる

私が相談を受けたときに、親が施設に入るときの実家の扱いを、ご家族と一緒に比べる表です。どれが良いかは、ご家族の事情によって変わります。税金や手続きの細かいことは、必要に応じて先生に確認します。

選べる道 良いところ 考えておきたいこと
施設に入る前に売る 管理の心配がなくなり、お金を準備できる 親の気持ちと、戻る場所がなくなること
施設に入ってから売る 施設での暮らしの見通しが立ってから決められる その間の管理と、親の手続きの力が続くか
貸す 家を残しながら、家賃が入ることがある 修理や管理の手間、借りた人がいると戻りにくいこと
しばらく持っておく 親がいつでも帰れる、気持ちの支えになる 空き家の管理と、税金などの負担が続くこと
子どもが住む・使う 家族の家として受け継げる ほかの兄弟との釣り合いをどう考えるか

売る時期によって、税金の扱いが変わることがあります

親が住んでいた家を売るときの税金の扱いは、売る時期や事情によって変わることがあります。いつ売るのが良いかは、税理士の先生に確認しながら考えます。

「しばらく持つ」なら、管理の受け持ちを決める

すぐに売らないと決めたなら、だれがどれくらいの間隔で見に行くか、費用はどう分けるかを、兄弟で決めておきましょう。

親と、どう話をするか

実家の話は、施設に入る話と重なるので、親にとってはつらい話になりがちです。

「売る話」ではなく「これからの暮らしの話」として聞く

「家をどうする?」と聞くより、「これからどこで、どう暮らしたい?」と聞くほうが、親も答えやすいものです。暮らしの話の中で、家への思いも自然に出てきます。

親が自分の言葉で決められるようにする

家族が答えを用意して「これでいいよね」と確かめるのではなく、親が自分の言葉で決められるように、選べる道を並べて見せてあげてください。親の気持ちを聞くことから始める考え方は、親が元気なうちにできること。私なら、制度を選ぶ前に「親の気持ち」を聞きますでもお話ししています。

私なら、こう進めます

では、松本ならどうするか。一つの考え方としてお話しします。

まず親の気持ちと、施設での暮らしの見通しを聞きます

私なら、最初に親御さんの気持ちを伺います。家に戻りたい気持ちはあるか、家をだれかに使ってほしいか、売ってもかまわないか。あわせて、施設での暮らしの見通しや、かかりそうなお金のことも確かめます。

道を比べたら、親が決められるうちに形にします

実家の状態やおおよその値段は私が見て、売る・貸す・しばらく持つを並べてご家族にお見せします。そのうえで親御さんが決めたことは、名義や手続きのことを先生に確認しながら、親が自分で決められるうちに形にしておきます。急がず、でも先のばしにもしない。それが、親にも家族にも後悔の少ない進め方だと考えています。

士業会では、こんなふうにお手伝いします

士業会は、違う専門の仲間がワンチームになって、一人の相談者の問題を一緒に考える団体です。

まず代表の私、松本がお話を伺います

士業会では、まず代表の私、松本がお話を伺い、必要に応じて先生方に確認します。実家の値段や使い道は私の長年の経験から、名義や手続きのことは司法書士の先生、税金のことは税理士の先生に確かめながら、一緒に整理していきます。

売ることを前提にはしません

私たちは、売ることも、残すことも前提にしません。親御さんとご家族にとっていちばん良い道を、一緒に考えます。相談は依頼ではありませんので、まずは気軽にお話しください。

よくある質問

親の家を、子どもが代わりに売ることはできますか?

家が親の名義なら、売るのは親自身です。家族が代わりに決めることはできません。どんな備え方があるかは、先生に確認しながら考えます。

施設に入ったあとでも、実家を売れますか?

売れることもありますが、親の手続きの力や体の具合によって進め方が変わります。早めに考えておくと安心です。

親が「家は売りたくない」と言っています。

その気持ちを大切にしてください。しばらく持っておく、貸す、といった道もあります。管理の受け持ちを家族で決めながら、一緒に考えましょう。

売ったお金を施設の費用にあてても大丈夫ですか?

親のお金を親の暮らしに使うのは自然なことです。ただ、お金の管理の仕方や税金のことは、家族で共有し、必要に応じて先生に確認しておくと安心です。

兄弟で意見が分かれています。

まずは親の気持ちを、兄弟みんなで同じ場で聞くことをおすすめします。親の言葉が、話し合いのいちばんの手がかりになります。

親と一緒に相談に行ってもいいですか?

はい、大歓迎です。親御さんご本人のお気持ちを直接伺えると、ご家族に合った形を考えやすくなります。

まとめ

親が施設に入る前に実家を売るのは、ダメなことではありません。空き家の心配を手放し、親のこれからの暮らしに備える、よく考えられた選択です。

ただ、親の気持ちが置き去りになったり、施設での暮らしが見通せないうちに選べる道をせばめてしまったりすることもあります。だから私なら、親の気持ちを聞き、売る・貸す・しばらく持つを比べ、決めたことは親が自分で決められるうちに形にします。

「親にどう切り出せばいいか分からない」という段階でも大丈夫です。まずはお話をお聞かせください。

違う専門の仲間が、ワンチームであなたの問題を一緒に考えます。士業会を、あなたの味方に。

一般社団法人 士業会 代表理事 松本 淳一

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