遺留分とは?遺言で実家を受け取れなかったとき

結論:遺留分は、遺言があっても一定の相続人に認められる最低限の取り分です。現在の制度では、実家そのものの名義を取り戻すのではなく、足りない額をお金で請求します。私なら、期限を確かめたうえで、実家の値段とほかの財産を整理してから、どう求めるかを考えます。
「親の遺言では、実家はすべて兄が受け取ることになっていた。自分には何もないのだろうか」
そんなときに知っておきたいのが、遺留分です。
遺留分とは
亡くなった方の配偶者、子や孫などの直系卑属、親などの直系尊属には、相続人になる場合、遺留分が認められます。兄弟姉妹には遺留分がありません。
遺留分の割合は、相続人の組み合わせによって変わります。直系尊属だけが相続人の場合を除き、相続人全体の遺留分は財産の2分の1が基本です。それぞれの取り分は、法定相続分などを踏まえて計算します。
「自分は必ず実家の半分をもらえる」という意味ではありません。
実家そのものではなく、お金を請求する
現在の遺留分侵害額請求では、足りない額に相当する金銭の支払いを求めます。
実家を受け取れなかった人が、請求によって自動的に実家の共有名義になったり、住む権利を得たりするわけではありません。一方、実家を受け取った人には、支払うお金をどう用意するかという問題が生じます。
請求には期限があります
遺留分侵害額請求権は、相続が始まったことと、遺留分を侵害する遺贈や贈与があったことを知ってから1年、または相続開始から10年で行使できなくなります。
期限が近いときは、実家の評価がまだ決まっていなくても、まず弁護士に相談してください。家族で話し合っているだけで期限の問題が解決するとは限りません。
実家の値段で、金額の見通しが変わる
不動産の仕事に40年近く携わってきて、遺留分の話し合いでは、実家の値段が大きな論点になると感じています。
実家を高く評価するか、低く評価するかで、請求額の見通しが変わります。ただし、計算するのは実家だけではありません。預金などのほかの財産、借金、対象になる生前贈与、自分がすでに受け取った財産なども確認する必要があります。
そのため、私はまず実家の査定条件と根拠をそろえ、財産全体の一覧と並べます。
支払う側の事情も確かめる
実家を受け取った兄弟に、すぐ支払える現金がないこともあります。売却や借り入れを検討する場合もあれば、支払い方について話し合う場合もあります。
請求することは、法律で認められた権利です。同時に、実家を残したい気持ちや、この先の兄弟の関係をどうしたいかも、話し合いでは大切になります。
私なら、期限と財産をチームで確かめます
法律上の請求や交渉は弁護士、実家の価格は不動産の専門家、税金は税理士、登記は司法書士と、いくつもの分野が関わります。
もし私があなたの立場なら、違う専門家が力を合わせるチームを味方につけ、まず期限を確認します。そのうえで、実家の値段、財産全体、請求額の見通し、家族の希望を整理し、どう伝えるかを考えます。
士業会では、まず代表の私、松本がお話を伺い、必要に応じて先生方に確認しながら、ご家族にとってよい進め方を一緒に考えます。
よくある質問
Q.親が生きているうちに、兄だけが受けた援助も関係しますか?
A.生前贈与の内容や時期によって、遺留分の計算に関係することがあります。資料を集め、弁護士に確認してください。
Q.遺留分を請求されました。実家を売らないといけませんか?
A.必ずしも売却だけが答えではありません。請求額の根拠と、支払いに使える財産を確かめ、対応を相談しましょう。
まとめ
遺留分は、遺言があっても一定の相続人に認められる取り分です。現在は実家そのものではなく、お金で請求するため、実家の値段が重要になります。
まず期限を確かめ、財産全体と家族の事情を、あなたの側に立つチームと一緒に整理してください。
違う専門の仲間が、ワンチームであなたの問題を一緒に考えます。士業会を、あなたの味方に。
一般社団法人 士業会 代表理事 松本 淳一
→ 実家の値段のそろえ方は「相続不動産の査定額で家族が揉めたら」のコラムもあわせてご覧ください。

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