相続不動産の査定額で家族が揉めたら、何をそろえて話す?

結論:査定額で家族の意見が分かれたら、金額を言い合う前に「同じ条件で比べているか」と「どの方法で値段を決めるか」を確認します。私なら、査定の前提と金額の根拠を紙に並べ、家族で使うものさしを決めてから話し合います。
「兄が取った査定は2,500万円。私が取った査定は3,200万円。どちらが正しいのだろう」
相続した実家の値段で、家族の意見が分かれることがあります。一人が実家を受け取り、ほかの相続人にお金を払う場合には、値段の違いが代償金にも影響します。
査定額が違うのには理由があります
不動産の仕事に40年近く携わってきて、査定額には会社や前提によって差が出ると感じています。
– 値段の意味が違う:「この価格で売り出す」という提案と、「実際に売れそう」という見込み
– 売り方が違う:一般の買い手を探す仲介と、不動産会社への直接の売却
– 家の状態の前提が違う:建物を残すか、解体するか。家財を片付けるか
– 参考にした取引が違う:近くのどの土地や家と比べたか
– 売るまでの期間が違う:急いで売る場合と、時間をかけて買い手を探す場合
金額だけを見て、一方が間違っているとは決められません。まず、同じ条件の数字かを確かめます。
話し合いの前にそろえたい4つのこと
1.査定の条件
「建物と家財を残したまま、通常の売却で買い手を探す」など、同じ条件を伝えて査定してもらいます。条件が違う査定は、その違いが分かるように分けておきます。
2.査定額の根拠
近くのどんな取引を参考にしたか。建物の傷みや道路との関係をどう見たか。金額だけでなく、理由を書面で出してもらいます。
3.近隣の取引価格
国土交通省の「不動産情報ライブラリ」では、取引価格などを調べられます。ただし、近所で売れた家も、土地の形や建物の状態が実家と同じとは限りません。参考資料として使います。
4.家族で値段を決める方法
どの査定を参考にするか、追加の査定を取るか、鑑定を依頼するかを話し合います。複数の金額の「真ん中」を機械的に採用する前に、各金額の前提を確認しましょう。
それでも決まらないときは
不動産鑑定士に鑑定評価を依頼する方法があります。費用はかかりますが、評価の条件と根拠を示した資料を得られます。
鑑定を頼んでも、家族が必ずその金額に同意するとは限りません。依頼する前に、「何を評価してもらい、結果を話し合いにどう使うか」も決めておくことが大切です。
私なら、数字の前にものさしを決めます
実家を受け取る人と、お金を受け取る人では、気になる数字が違って当然です。誰かを責める前に、同じ資料を見られる状態をつくります。
私なら、査定の条件と値段を決める方法を先に共有します。それから数字を並べれば、「なぜこの金額なのか」を話し合いやすくなります。
不動産の価格は不動産の専門家、分け方の法律問題は弁護士、税金は税理士が関わります。もし私があなたの立場なら、違う専門家が力を合わせるチームを味方につけ、家族が同じものさしで話せるようにします。
士業会では、まず代表の私、松本がお話を伺い、必要に応じて先生方に確認しながら、ご家族にとってよい進め方を一緒に考えます。
よくある質問
Q.一番高い査定額を基準にすればいいですか?
A.高い査定額は、その値段で売れるという約束ではありません。売り方や査定の根拠を比べてください。
Q.不動産鑑定士に頼むと、いくらかかりますか?
A.不動産の種類や評価の目的によって変わります。依頼する範囲と費用を、先に確認しましょう。
まとめ
査定額で家族の意見が分かれたら、数字を比べる前に、査定の条件と値段を決める方法をそろえます。根拠を紙に並べ、同じ資料を見ながら話し合いましょう。
違う専門の仲間が、ワンチームであなたの問題を一緒に考えます。士業会を、あなたの味方に。
一般社団法人 士業会 代表理事 松本 淳一
→ 話し合いの進め方は「兄弟で相続不動産の話し合いが進まない原因は?」のコラムもあわせてご覧ください。

コメント

この記事へのコメントはありません。

関連記事

TOP